今の場所に住むようになって、晩秋から春先の日曜日はある音楽で目が覚めることが多い。
屋外から流れてくるその曲の名は知らないが、灯油の巡回販売業者がローリー車に備え付けている拡声器から聞こえてくるメロディーであることを知った。寝室のカーテンを開けて外を眺めた、ある日曜日の朝に。
まさか自分自身がローリー車に乗るようなことになるとは、その朝には微塵も思っていなかった。
一応は緊急事態宣言下の日曜日。それなりに慎んで休日を過したが外出しなかった訳ではない。
密になりにくい過疎っているゲレンデへ独りで出かけることも考えたがそれなりに疲れていること、暖かな日になることが予想されたので取りやめた。
かわりにカメラを持って朝から出かけた。撮影会をはしごして、2人のモデルさんのポートレートを撮影した。
ポートレートを撮影したのはほぼ一ヶ月ぶり。午前中は団体撮影会、午後は個撮形式の撮影会に参加した。
個撮形式の撮影会に参加するようになって、団体撮影会への参加は激減している。
団体撮影会なりの魅力や価値はあるとは思う。
屋外であれば運営者がレフ板を用意してくれること。撮影場所としてはそれなりに無難な場所を選択してくれることくらいがすぐに思い浮かぶ。
それでも、今の自分にはあまりあっていないことを今日、改めて再確認できた。
今日、団体撮影会の参加者が口にしていたことが興味深かった。個撮形式の撮影会だと息が続かないので団体撮影会にしか参加しないと。
そのように口にしたのはシニアの男性。自分も彼と同じくらいの年齢になれば同じようなことを思うのだろうか。
飽きっぽい自分がそんな年齢になるまでカメラを持ち続けているのかはかなり怪しいが。
2人のモデルさんを撮影した後の帰宅中に思った。疲れている休日はカメラを持って出かけるくらいが丁度いいのではと。
スナップでもポートレートの撮影でも構わないが、前もってスケジューリングしなければならないポートレートの方がいいだろう。
前もって予定を組んでないと、仕事で疲れていることを言い訳にして家でダラダラと休みを過してしまう可能性が高いから。
家の窓から暮れ始めた外の景色を見て、何もしないままに休みが過ぎてしまったことを虚しく思うのは何気に切ない気がする。
今後も疲れている休日にはカメラを持って出かけたいものだ。
一ヶ月ぶりにただただカメラを弄っているだけで、新鮮な気分を味わえたのはよかった。