昨日の日曜日は少し冷たい風が強かった。
外だと薄手のシャツでは寒かったが、ベランダに干していた洗濯物は夕方までにはよく乾いた。
少し肌寒さを感じる春の休日に自分は出かけた。ウインドブレーカーをひっかけ、カメラを車に載せて西へ。
向かった先は清洲城。子供のころから歴史好きなのだが、今までこの城を訪ねたことがなかった。自宅から高速を飛ばせば30分もかからない距離なのに。
清洲城よりも少し遠い犬山城には何度も足を運んだことがあったのに。
それでも自分が清洲城まで赴いたのは撮影会に参加してポートレートを撮るためだった
このごろさりげによく思う。自分はいつまでポートレートを撮り続けるのだろう、と。
撮影会に参加すると、一回につき7,000円前後はかかる。
週に一度参加するとしても一か月で30,000円ほどになる。貧乏サラリーマンの自分にとってはかなりの出費だ。
参加費以外にも交通費、カメラやレンズなどの維持費などにもお金はかかる。
ポートレート撮影は平均的なサラリーマンでは続けるのが難しい趣味だろう。
ちなみに40代サラリーマンの小遣いの平均金額はランチ代、ガソリン代や携帯電話の料金など込みで三万円代の後半のようだ。
平日のランチに800円使うと、残りは20,000円ほどになる。
そこからさらに車のガソリン代を差し引くと、どれくらいの金額が残るのだろう?
自分がポートレートの撮影にのめり込むことになったのは、あるカメラ量販店が主催した撮影会に参加したことがきっかけ。
数千円の参加費で有名メーカーのカメラを無料で借りることが出来たので、手ぶらでの参加もOKだった。
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その日、10人のモデルさんを撮ることができたのだが、自分が夢中になってファインダーで追いかけたのは藤崎舞菜さん。
当時、彼女はアイドルグループdelaに所属していたが、彼女のことはもちろんそのグループのことさえ自分は知らなかった。
彼女はこの春から社会人になる。撮影会に彼女が出演するのは昨日が最後だった。
自分が参加したことがない撮影会だったが、思い切って参加した。彼女に感謝の思いを伝えたかったから。
彼女と出会っていなかったら、ポートレートにこれほど興味を持つことはなかっただろう、きっと。
人生の最後に夢中になったことを五つ以上浮かぶ人間は幸せだという。
少なくとも彼女のおかげで、自分は一つを見つけることができたはずだ。