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先週の木曜日に仕事を終えて家で一人、のんびりとビールを飲みはじめると母親が襲来してきた。
コロナワクチンの接種予約方法がわからなくて、自分に助けを求めてきたからだ。
厚生労働省が設置した専用サイト、『コロナワクチンナビ』で実家から歩いて行ける距離にあるクリニックでワクチンの接種と予約ができることを調べて母親に説明したことまでを昨日の記事に書いたので、今日はその続きから。
何か言いたそうにしている母から言葉を聞き出すと、そのクリニックには行ったことがないので場所がわからないと言われてしった。ヤレヤレ。
母の車には純正のナビがついている。そのナビに電話番号を入力して連れて行ってもらうことを自分が提案すると、母は次のような言葉を口にした。ナビを使ったことがないと。ヤレヤレ。
歳をとると多くの人は子供のようになるらしいが、母も今年で72歳。後期高齢者も近づいているので致し方ないのかもしれないが、自分と違って充分すぎるオプションをついた新車を買って保有している。これでは宝の持ち腐れだ。
晩酌の続きは諦めた。パジャマの上に1枚羽織、母の車の助手席に乗り込むことを決めた。二つの目的を果たすために。
母に車のナビの使い方を教えることと、クリニックの場所を教えることがその目的だった。
母が車のエンジンをかけるとナビの使い方の説明をはじめた。一番わかりやすい使い方、電話番号を入力して目的地を設定する方法を。
春が終わりに近づいているせいか日は長くなってきた。
それでも外は暗くなりはじめていて、通りを走っている車はヘッドライトを点けていた。
仕事を終えて自宅へ急ぐ人が多いのか、表通りの車の流れはよどんでいた。
母は車を発進させるとすぐに裏口に入った。ナビの指示ルートを全く気にしていなかった。
助手席に座って車窓をぼんやりと眺めているとナビの挙動に少し違和感を覚えた。時にはお節介にも思える音声案内が全く聞こえてこなかったから。
母にそのことを尋ねたら、鬱陶しかったので苦労して音声が聞こえないようにしたという。ヤレヤレ。
信号交差点で停車した時にハンドブレーキならぬ、フットブレーキを母に踏んでもらっている間に、ナビの音声案内が聞こえるように設定を戻した。
ナビの使い方を母が理解したかは怪しかったが、クリニックの場所だけはわかってもらえたようだ。
翌日、直接に赴いて予約を取ることにすると母は言った。
母はほっとしたせいか、つまらない次のような本音を口にした。自分を送って行くのが面倒臭いと。ヤレヤレ。
翌日、母は六月中に二回のワクチンを受ける予約ができたらしい。
クリニックは整理券を配布するなどの工夫をした対応をしたようだった。
そのおかげもあって、時間はかかったが予約にそれほどの混乱はなかったようだ。