先日、仕事先で席替えが行われた。来月からメンバーが増員されるので、そのスペースを確保するためだとリーダーは席替えの理由を説明した。
約一年前の同日に着任した20代の男性エンジニアとはずっと隣同士だったのだが、席が離れることになった。
彼とは20歳以上も年の差はあるが同じ作業をすることもあって、今の仕事先で一番コミュニケーションを取っていた。ちょっとした寂しさもあったしが、彼は自分と距離を取ることができたのでホッとしているかもしれない。
ちなみに新しい席はぽつんと一軒家。
来月からは両横に年配者と若者に挟まれることになるらしいのだが。二週間以上はこのままのようだ。
しばらくはスペースを広く使えるので机の下にあったキャビネットを横に出した。
キャビネットと机の高さは10㎝以上も違うのだが、仕事をするスペースが広がったような気がする。
机の上にはデスクトップマシンと液晶モニターが二台あるので窮屈さを感じることもあったから。
気分よく仕事をしていると自分の近くの席になったプロパー社員が次のようなことを口にした。袖机が使用できるのは課長職以上であると。キャビネットなので袖机はないとは付け加えてくれはしたが。
彼に悪気はなかったのかもしれないが、こちらとしては嫌みとして受け取れないこともなかった。
だが、自分は気にしてしない。そればかりか、そんなルールを定めた組織とその組織に縛られている彼のことを心の中で馬鹿にさえしている。
人や作業内容によって適切なパーソナルスペースに違いがあるはず。
何台もの液晶モニターを置いた広い机で仕事をするのが好きな人もいるだろうし、こぢんまりとしたスペースでノートパソコンの小さな液晶モニターだけを見つめて作業をする方が集中できる人もいるだろう。
それを作業車の要望ではなく、組織内の序列で使用できる机を決めるなんて滑稽だ。
経営者たちは組織の生産性を上げることに興味がないのだろう。
ひょっとして、課長や部長の机に憧れている若い社員はいたりして。
社長の机はどれくらいの大きさなのだろう? 机があまりにも立派でも社長室、否、社長の風貌が冴えていなかったらそれこそコメディだ。
オフィス内で座る椅子も会社内の役職で定められていたりして。
ちなみに自分が付与されているのはパイプ椅子ではないが、使い込まれてかなり疲れている。
高さの調節ネジがおかしくなっていて、自分の体重でだんだんと下がってくる。
たまにダイエットを意識させてくれるが、効果が現れていないのがせつない。