迷走していた台風14号を昨日から気にしていた。
今日の午前中につまらない約束を弟と交わしてしまっていたから。
その約束とは彼と彼の妻だった二人が住んでいた部屋から荷物を持ち出すこと。今年の初夏に新婚夫婦が住み始めたばかりだった部屋のあとかたづけ。
六月初旬の平日のある日、その部屋に遊びに行くと新婦だった彼女へ自分が口にしたことが遠い日のような気もする。
結局、その時から彼女には会っていないし、これからも会うことはないのかもしれない。
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そんなつまらない理由のためか、朝から身体は重かった。台風が近づいていたので気圧が低かったことも多少は影響していたのだろうが、勢力はかなり落ちていたので気分的なことの方が大きかったような気がする。
それでも約束していた9:30までに実家へ着いた。
車で向かう途中にあることに気がついてしまったが。弟の手伝いだから迎えに来てもらっても少しもおかしくないことに。
弟の車でレンタカーを借りに行くと、一つだけラッキーなことがあった。店員が素敵な女性だったことだ。黒のパンツが似合っていた。
弟に彼女のことを誉めると否定はしなかったので、万人受けするような美人だったのではないか。
そのレンタカーショップにはカラオケボックスが併設されているが休業中だった。まだ緊急事態宣言下であることを確認させてくれた。
ハイエースのバンに乗り換えて弟たちが住んでいた部屋に向かった。
目的地は名古屋市北区。西区との区境近いエリアだった。地下鉄の駅まで歩けば10分ほどらしいが、その付近には自分は全く土地勘がほとんどなかった。
初めて部屋へ入ると淀んでいた。
女性が数週間ほど前まで住んでいた気配を感じなかったのはなぜだろう?
心地よくない匂いだけは残っていたのに。
部屋で犬を三匹飼っていたからかもしれない、と弟は口にした。
運ぶのが大変だったのは、リビングに置いてあった机。脚もしっかりとしていて玄関を抜けるのが面倒だった。
新婚だった二人が一緒に買った、その新しい机。
配達されてきた時には弟は仕事で、彼女が一人きりだったそうだ。
新居から運び出した荷物は可能なかぎり、二軒のリサイクルショップで引き取ってもらったが総額で5,000円にもならなかったようだ。
弟たち二人にとって、この夏はどのように記憶されるのだろう?
コロナ禍で夏の思い出が残せなかった人が多い中、何かしらの記憶が残せただけ幸せに思えるかもしれない。
それはずっと後になってからなのかもしれないが。