システムエンジニアの自分にとって苦手な作業はプログラミング。
新しい現場に入るときの面談では公言することが多い。着任後にまわりに迷惑をかけないためにも。
ただ、今の現場での面接時には支店長が横で目を光らせていたので口にできなかったのが災いしてしまった。
客先で来年の上半期にリプレースされるwebシステムをオッサンの自分と20代の男性エンジニアと二人で開発している。
大まかな絵だけはプロパー社員が描いたが、それ以外のほとんどの実作業は社外の人間が担当している。
おそらく、日本ではどこにでもある光景。こんな環境で開発されるシステムに問題が起きるのはある意味では当然。
来週の月曜日からは、さらに一人メンバーが追加されるようだが、プロパー社員からは戦力としてあてにしない方が無難だと言われているが、どうだろう?
最初にある程度、まわりがサポートすればプロパー社員の期待を裏切ることだってありうると自分は考えている。
少なくともプログラマーとしては寿命を越している自分なんかよりは成果を上げるのではないか。
むいていないプログラミングに従事していることもあって、今月に入ってからは定時退社日の水曜日以外は毎日残業。
残業は理不尽だと考えているからそれだけでもストレス。しかも、朝から日が暮れてからも液晶モニターを眺めながら訳がわからないことにすぐにぶつかってしまう時間を過ごしているので、それなりにはイライラしてくる。
昨日、最初に自分が担当した機能がやっと終わったが、見積もりよりも何倍もの工数がかかってしまったので、プロパー社員二人に呼び出されてしまった。
開発環境やガイドラインなど、言いたいことは多々あったが本音を口にはしなかった。60分の間、彼らの言葉を聞き流していただけだ。
11月に入ってからはそんな日々を過しているが物に当たったり、誰かに愚痴を聞いてもらったりしたいとは思わなかった。
少なくとも30代の自分だったら八つ当たりするためのものや、気を紛らわすための何かを探したりしていた。上手く見つけることができなかったらさらにストレスを募らせていたのがちょっと懐かしくもある。
数年前、ある年上の女性に大人になったと言われたことがあったのを思いだした。
その女性は自分の20代のころを知っているからだろうか。
たまたま、自分は少しだけ大人になれた気がするが、まわりを見るとどうだろう?
ここ数週に渡って日曜日の夜になると、かつての同僚や一緒に仕事をした仲間から愚痴っぽい言葉がスマホに送られてきた。
しかも、今の自分にとっては深夜だと感じる時間に。
それでも返信はしたし、そのうちの一人とは少しだけ時間を作ってビールを呑みながら話を聞いた。
自分の優しさが相手に伝わったかは期待していない。そんなところも自分が大人になったところなのかもしれない。