若いころはそうでもなかったが、歳を重ねる毎にスナフキンに憧れるようになってきた。ギターを持ってさすらう彼の生き方に。
スナフキンのように格好良くは生きてはいないが、それでも今までに何度かはあてのない旅をしてきた。
旅は疲れるものだし、疲れないと人はまたすぐに旅立ってしまうから。というようなことをある作家が書いていた。
自分は昨日の夜に帰ってきた。1月2日からの三日間、マイカーで泊まりながら雪遊びをしてきた。
2日と3日はマイアスキー場、昨日は野麦峠スキー場で。かなりリフレッシュできたが、その理由について思い当たったことがある。
一つは予定をしっかりと決めずに出発したこと。
自分にとって一人でスキーに行くことはごく普通、それが日帰りだろうと泊りであろうと。
年末には車中泊でマイアスキー場を二日間滑ったばかり。それでもその時との印象の差は大きい。
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当初は今日、帰宅する予定だった。
2日マイア、3日野麦、4日乗鞍高原、5日は野麦で滑走して、4日のみペンションで宿泊するつもりだった。
だが、宿泊するつもりでいたペンションの予約が取れなかったことと今日に予定ができたので、昨日帰宅することにした。
四日間で車中二泊とペンションで一泊するつもりの旅の計画を三日間で車中二泊に変更した。行程は短くなってしまったが、それはそれで新鮮だった。
もう一つは三日間、自分としては会話が特に少なかったこと。
一人で雪遊びをしていてもリフト乗車などの際には同乗者へ気軽に話しかける自分。
リフトやゴンドラ乗車中は多くの人も退屈なのか、大抵の場合は会話の相手をしてくれる。
二日の午後、ペアリフトに自分よりも年上の男性と乗車した時のことだった。
自分が話しかけると相手の言葉が続いた。リフトを降りても途切れることはなかった。
彼と一緒に滑ることになったが、滑走中でも彼は自分に語りかけてきた。よっぽど誰かと話をしたかったのだろう。
本当は一人でスキーに来たくなかったらしいが、同行者を見つけることができなかったことを皮切りに住んでいる場所、家族構成、乗っている車、それなりの会社に勤めていることなどを話してくれた彼。
後半は自慢話のような感じがして、聞き続けるのが苦痛になってきた。
自分の妄想だが彼には職場で部下や同僚はいるのだろうが、友人と呼べる人はいないのではないか。
それほど悪い人には思えなかったが、あまり好きにはなれそうもないタイプだった彼。
結局、彼とはリフトが営業を終えるまでリフト5本に同乗して一緒に滑った。
そのことがトラウマになって、それ以降はリフトで他人に話しかけるのを躊躇するようになってしまった。
憧れの人の言葉*1を口にして彼とすぐに別れれば、3日間の旅の印象は違ったのかもしれない。一人になる時間が少なすぎて、あまりリフレッシュできなかったかもしれない。