3日の夜、予約してあった京都市内のビジネスホテルにチェックインしたのは23時過ぎ。
スマホの電源が切れていたのでおぼろげな記憶を頼りにホテルに辿り着くことができたときはホッとした。
チェックインは対面ではなく、タッチパネルの機器を操作する方法だった。
タッチパネルの操作を終えるとカードキーが出てきた。
部屋は6Fだった。
部屋へ向かうためにエレベータに乗ろうとしてエントランスの『▲』ボタンを押したが反応はなかった。
カードキーをかざしてからでないと、ボタンが反応しないようになっていたからだ。
セキュリティのためだろうか。部外者が簡単に客室へ入れないようになっていた。
考えたら久しくビジネスホテルを利用していない。その間にビジネスホテルも進歩していたようだ。
客室は広くはなかったが静かで清潔だった。
流行病の影響を受けているとはいえ、ゴールデンウィーク真っ只中に7,000円以下で泊まれた部屋なのだから文句はいえない。
荷物を置くと、ホテルの目の前にあったコンビニに向かった。ラーメンを食べられなかったので何か食べたくなったからだ。
小さな寿司と味噌汁を買って部屋に戻って食べた。
夜食を食べ終わるとシャワーを浴びた。ユニットバスがなんだか少しなつかしかった。
久しぶりの京都の夜、眠りはなかなか訪れてこなかった。最後にスマホで時間を見たのは2時過ぎだった気がする。
4日の朝はスマホの着信で起こされた。
記録のない相手からだったが、どんな連絡なのかはおよそ予想がついていた。
ベッドの中でそのまま電話に出ると、連絡内容は自分の予想通りだった。
その日の午前中に撮影会に参加することになっていた。自分が予約していたモデルさんが体調不良のためにキャンセルさせて欲しいとの、撮影会スタッフからの連絡だった。
理由が理由だけに仕方がない。別に誰も何も悪くはないのだから。
自分も二月末に流行病に倒れていたこともあってか、全くイライラしなかった。
その後、モデルさん自身も体調が悪いはずなのに、わざわざ丁寧にSNSでDMをくれた。
本当にいろいろなモデルさんがいる。
ポートレート撮影の予定がなくなったので、他の予定も考えたがやめた。
ゆっくりとこのまま朝寝を楽しんでから、のんびりと名古屋に帰ることにした。
前日、18,000歩も歩いていたので疲れていたこともある。(つづく)