お金や物よりも思い出、とキレイにいうことはとてもできない。
それでも過去のことを思い出して、特別な感傷に浸ることはある。
それは時に悲しく、切なくそして愛おしい。腹が立ったり、恥ずかしくなったり、苦笑いを浮かべてしまうようなこともある。
今週はオフィスに出勤するとろくにすることがなかったせいかぼんやりとしていることが多かったせいか、19歳のころのことを何度か思い出した。高校を卒業して予備校に通っていたころに出会ったコンサバな女性のことを。
思い出したきっかけはおそらく二つの理由。
一つは月曜日のテレビの深夜番組で九浪した男性を見たこと。
そしてもう一つは先週の土曜日にリリーフランキーがコンサバな女性について、ラジオで話していたからだと思う。
テレビとラジオからのインプットがある女性を思い出させた。
今の予備校生がどんな日々を過しているかは知らないが、自分はあまり真面目ではなかった。
六月までの週末は結婚式場でアルバイトをしていたし、平日は平日で授業の合間にパチンコをよく撃った。映画も観たし、予備校仲間とカラオケにも行った。
自分が通っていた予備校の前にはパチンコホールが建っていたのはどうしてだろう?
今、同じ場所には予備校もパチンコホールもない。
ろくに勉強はしていなかったが、自分が所属していたクラスは名大文学部志望クラス。ろくに勉強する気もなかったくせに、目標だけはでかかった。
予備校生活がはじまると、同じクラスで中学校の同級生と再会した。名古屋市内の市立高校に通っていた友人と。
その友人が通っていた高校は地元ではそれなりに知られていた存在だった。学風は自由で進学率も優秀だったから。
同じ公立高校でも自分が通っていた学校とはいろいろな意味で差があった。
その友人は予備校内で二人の女生徒とよく話していた。彼女たちは彼と同じ高校の同窓生だったから。
彼女たち二人は自分と同じ歳のはずなのにずっと落ち着いていた大人に感じたし、それ以上に魅力的に見えた。
自分の人生で初めて出会ったコンサバな女性たちだったのではないかと今になって思う。
そのうちの一人の彼女をあることがきっかけで女性として意識するようになるが、またの機会があれば別の文章に書き残すかもしれない。
彼女たちは今、どこで何をしているのだろう?
そういえば、彼女たちとの接点を作ってくれた友人とも、ずっと会っていないことを思いだした。
小学校のころは彼の自宅に何度か遊びに行ったことがあったほどなのに。