淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

破れたジーンズをはいて

 目が覚めると思っていたよりも筋肉痛は軽かったし、目覚めもよかった。夢も見なかったので眠りは深かったかもしれない。
 昨日は一昨年シーズンぶりに灯油の巡回販売に従事した一日だった。

 昨朝、起床したのは6時前。ゲレンデまで雪遊びに行けるような時間に寝室を出たが、向かった先はタンクローリーが数十台並んでいる横にプレハブが建っていた場所。
 約束よりも5分ほど早く、巡回販売先の営業所と呼ばれる建物に入ると、営業所長が自分を待っていた。
 互いにかしこまらない挨拶を交わしたあとに、釣り銭、ETCや給油などのカードとタンクローリー車のキーを受け取って出庫した。

 ミッション車の運転は二年ぶり。少しも怖くなかったし、違和感さえ覚えなかった。
 営業所を出庫したのは7時前。裏道から名岐バイパスに出て北へ走ったが、一昨年よりも車は多かった。

 ひょっとしたら、翌日にキムタクが岐阜市に来ることになっていることが影響していたのかもしれない。
 最初の巡回販売エリアまでのルートをスマホのナビにセットすると、これまでに走ったことがないルートが表示された。
 実際、岐阜市内の一部の道が8:00から交通規制されることを道路上の掲示案内で知った。

 遠回りのルートだったが信号が少なくて車の流れもよかったために、意外と早くついた。
 8時数分前に最初の担当エリアに着くと車を停めて休憩した。8時からしか拡声器を使っていけないことになっているからだ。

 木曽川を渡った時の気温は10℃。この時期の朝の冷え込みとしてはまずまずだったが、出だしは全く売れなかった。
 客からの問い合わせが多かったのだろう。先週、所長が最初のエリアだけ、販売に回ったことが影響していたのかもしれない。30分ほどで14ℓしか売れなかった。

 二年ぶりに見た車窓は明らかに違っていた。売りに出されている不動産が増えていたし、貸しに出されているものも目立った。
 何かで限界ニュータウンという文章を読んだことが思い出された。

 それでも最初のエリアで1000ℓ以上は売れた。
 集中力はもちろんのこと体力の低下も心配していたが、足がもつれて転ぶようなこともなかったし、かかった時間も許容範囲で12時過ぎには最初のエリアでの販売を終えることができた。
 しかも、ローリー車の一部の部品が破損するアクシデントがあったのにも関わらず。
 ちょっとした応急処置で走行を続けることができたのは幸いだった。

 今シーズンの灯油の巡回販売中のテーマは慌てないこと。できるだけ走らずに、楽しく働くことを自分で決めた。
 次のエリアへの移動も急がなかった。
 自分が担当するエリアからエリアへのルートも忘れていなかった。プライベートでは走ることがない道だったのにも関わらず。
 運転席から見た景色は少し懐かしくもあり、新鮮でもあった。晴れた日の秋のドライブは気持がよかった。

 お昼は気に入っていたお店で豆腐カツ定食を食べることを決めていたが、心配していたこともあった。
 世の中は少しずつコロナ以前に戻りつつあるところもある。人気のあるスポットや店などに人が集まりやすくなってきているので、目的の店の駐車場が混み合う可能性を心配していた。
 軽自動車とは違ってローリー車を駐車するのにはそれなりのスペースがいるからだ。

 だが、自分の心配は杞憂だった。
 駐車場にはほとんど車が停まっていなかったし、店内も静かだった。
 店に入ると客が少なくて店員も手持ち無沙汰のように見えた。

 注文を待っている間に店員へ話しかけると、彼女たちも来客が少ないことには戸惑っているようだった。
 岐阜市内でキムタクが来ることになっている祭りに皆が出かけていることが影響しているのかもしれない、とある店員は話してくれた。

 若い女性の店員に質問してみた。キムタクに興味があるか、と。
 答えは自分の予想通りの『No』。そりゃあ、そうだろう。
 ちなみに祭りは昨日からだったが、スーパースターの登場は今日。
 前日から人の流れがこんなにも変わってしまうなんて、アラフィフのスーパースターはたいしたものだ。

お昼に食べた豆腐カツ定食。思い出の味だったのに豆腐が冷たかったのが残念だった。

 昼食を食べた後も残りのエリアを移動しながらの販売を続けた。
 途中、大きなドラッグストアがなくなっていたり、道の駅が改修中でトイレしか使えなくてなっていたのにも驚いた。
 二年の月日は決して短くなかったとことを何度も感じた。

 最後のエリアまでは問題なく灯油を売り走ることができた。ただ、自分の見込みよりは売れなかっただけど。
 代わりに車から降りる回数が少なかったので、疲労もあまり感じなかった。

 ただ、最後のエリアではじめてのことが起きた。
 自分と同じくらいの主婦のお客のポリタンクに給油しようとすると、灯油が出なくなってしまった。
 責任者である営業所長に電話して指示を仰いで、いろいろと試したのだが駄目だった。
 結果はまさかの品切れだった。自分の車には十分に給油されていなかったらしい。

 目の前のお客と他の場所でポリタンクを出してくれていたお客も、謝りながら来週に給油することを約束すると、温厚な態度で許してくれたのはほっとした。

 尻切れトンボで終わった昨日の売上げは1866ℓ。
 在庫があれば2000ℓを越えたかもしれないけれど、それはそれでよかったようにも思う。
 来週の土曜日は昨日よりも売上げが落ちる可能性が高いと考えているからだ。よほどの急激な冷え込みがないかぎり。

今日の写真のモデルはカレンさん。