淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

アドバイス

 同級生たちの子供の近況を聞くとはっとすることがある。このごろ、一番に驚く内容は子供たちの年齢。
 同級生のほとんどは自分と同じ51歳。30歳前後で結婚して第一子がすぐに誕生していれば、二十歳前後の子供がいてもおかしくない年齢になってしまった。
 子供が高校を卒業して更なる高等教育の場で学んでいる話だけでなく、就職に関することもちらほら聞くようになってきた。

 今年の四月から手伝った講師の仕事をしているときに新入社員たちと話していると、両親の年齢が自分と近かったこともあった。
 アラフィフになったというリアリティというか、過ぎた時間の重みみたいなものを感じた。

 前の土曜日、友人が営んでいる理容院で髪を切った。
 自宅から車で30分以上はかかるが、その友人の店で整髪してもらうことが増えている。
 値段はそれほど安くはないけれど、洒落っ気に全くかけるので髪を切るくらいのことにはお金をかけてもよいと思っていることもあるが、やっぱり昔からの友人ということが大きいだろう。

 友人の両親も理容師で現役。営んでいる店は実家から歩いていける範囲だ。
 自分が物心をついたときには同居していた祖父は、その店に死ぬまで通っていた。
 祖父が亡くなってからしばらくしたある日、友人の父親が実家まで線香を上げにきてくれた。いかにも昭和らしい思い出だ。

 土曜日に話を戻そう。
 友人の長女は大学で看護を学んでいることを、そのときにはじめて知った。
 彼女は看護師志望だったらしいのだが、父親である彼は看護師になるために大学に行く意味があるのかを考えたとのこと。
 修学年数が短くて学費も少なくても看護師資格が取得できる上級学校が家の最寄りにあったからだ。
 だが、どうしても娘は大学で勉強したいと訴えたので、大学に進むことを認めたようだ。

 そろそろ、就職先を決めなければならない時期が近づいている彼の長女。そんな彼女に友人は次のようなアドバイスをしたと話してくれた。楽をするな、と。
 彼女が大学まで進んで勉強していることもあるようだが、彼は自分の経験から若いときには楽をしては駄目だと考えているようだ。

 彼は専門学校を出たあと、親の店ではなくて名古屋市内のちょっとした店で修行したことを自分は知っている。
 いろいろな苦労があったことも何度か聞いたし、そのことが彼自身のためになっていることも。
 そんな彼だからこと、今の自分は彼に髪を整えてもらっている気がする。

 自分は娘が就職先を決める時期に彼のようなアドバイスができるのだろうか。
 例え何か言葉を口にしても説得力に欠けるだろう。
 嫌な目に遭うことは少なくなかった若いころ。それらが、自分の成長に繋がったようには思えないから。

今日の写真のモデルは、初めましての寺尾 彗さん。