このごろ朝によくサンドイッチを食べる。というか、若干はまっていてマイブームだ。
スーパーに出かけたある日、ホットサンドを食べたくなったので10枚スライスの食パンを買った。
高級食パンブームは終わったが、まだまだ厚切り食パンの人気があるせいか売り場では幅を利かせているので、薄切りの食パンを売り場で探すのは大変だ。
コンビニではまず、10枚スライスの食パンはお目にかかれなくなってしまった。
翌朝、ホットサンドを作ろうと思って買った食パンを手に取ると、サンドイッチに興味が湧いてきた。これは浮気心なのだろうか。
買ってそれほど時間が経っていないこともあってか、食パンがふわふわだったこともあったかもしれない。
とっさにホットサンドではなく、サンドイッチに朝食を変更した。
今まで何気なく見ていた料理系のYouTuberのレシピを思い出しながら適当に作ったサンドイッチ。具はキュウリとハムのみのシンプルなもの。
キュウリを冷やし中華の上に乗せるものよりは少し大きめの短冊状に切って塩を振って数分置いておき、表面に水が浮きはじめたら手で強く絞って水気を抜いた。
固く絞ったキュウリをハムで挟んだサンドイッチはびっくりするくらい美味しかった。
バター、からし、ハムの塩味が絶妙。さらにキュウリの食感がそれらを引き立てていた。
料理には引き算と足し算があると言われるが、引き算の料理を自分の手で実感したのは初めてだった気がした。
その翌日の朝もサンドイッチを食べた。
今度はキャベツとハム。キャベツは千切りにしてコンソメ、ケチャップ、マヨネーズと粒マスタードであえてハムと挟んだ。
前日よりは少しこってりとした味わいだったが、このサンドイッチもなかなかだった。前日と違った足し算のサンドイッチ。
コンビニのサンドイッチもかなり進歩してきて美味しくなってきたと思っていたが、自分が雑に作ったものの足下にも及ばないことがわかった。例え見てくれが悪くても。
写真はよく引き算が大事と言われるが、最近になってそのことの意味が少しずつわかってきた気がする。
今までに何人かのプロカメラマンから写真を習ったことがあるが、その一人はトリミングの重要さを教えてくれた。
自分が失敗したと思った撮影データでもトリミングをすることによって、その失敗をより自覚するためだ。余分なものを構図に入れてしまったことなどに気がつくことができる。
何をしても下手くそなくせに、プライドだけは人並みに高い自分。
トリミングをしていると自傷的な感覚を覚えたことも少なくなかったが、その効果は少なからずはあった気がする。
また、トリミングをすることによって撮ったデータを見る時間が増えたことで、自分の好みな写真も少しずつわかってきた。
ポートレートを撮り始めたころはコントラストや彩度を高くすることを意識していたが、コントラストや彩度を抑えた写真の方が自分は好きなことに気がついた。
料理は味が濃いものが好きだが、写真は淡い感じのものがどうやらタイプのようだ。