今年度も終わりが見えてきた。
そのことに気がついたのは金曜日の夜。町内の夜回りに行くか迷っていた時だった。
先週は毎日、定時時刻前から仕事をしているらしくない日々。もちろん、ポーズばかりだが、いつもよりも仕事をしているフリをする時間が長かったこともあって、いろいろなことに対してどうしても後ろ向きになりがちだった。
膝を怪我していることを口実に夜回りをサボることが頭をよぎったが、結局は参加した。今年度の夜回りはあと二回しかないことに気がついたからだ。
来月の第二金曜日の夜が悪天だったら、その夜が今年度最後の夜回りになってしまうと思えたからだ。
先月の一月は寒い夜だったこともあって、夜回りに参加したメンバーは三人だけ。
今月はなんと六人が参加、女性が二人居たことも新鮮だった。
夜回りの後半、足が少し痛くなってきたけれど歩ききった。
夜回りの最中はいつも、メンバー同士で無難な話をしながら歩いている。
高齢者が多いので、何度も同じ話をする人が多いのは仕方がない。ただ、はじめて聞いた時でさえ、つまらない話が多々あるのが気になってしまうだけだ。
他人に話しても無難なことは、どうしてもそういう傾向になりがちなのだろう。
過激だったり、刺激的な話題というのはどうしても話す相手が選ばれてしまう。
夜回りの中心メンバーは元町内会長と元町内副会長。二人とも80代だがまだまだ元気。
両者に共通する点はいくつかあるが、一つだけ挙げると外食が好きなこと。
近所に新しい店がオープンすると、早めに来店して情報を教えてくれる。
堅実な暮らしぶりのようだが、それなりには奥さんと一緒に外での食事も楽しんでいるのが感じられる。
先月の後半、近所にまたラーメン屋が開店。本当にまただ。
自分が今の地に住み始めたころ、歩いて行ける範囲にはラーメン屋は一件もなかった。
それが、ここ数年で一変した。流行病の影響もあっただろうが今は4軒。その中にはかつて自分がバイトしていた店は入っていない。自転車だったら無理はないが、歩いて行くには少し遠いからだ。
新しくできたラーメン店のことを話題に出すと、副会長がすぐにレスポンス。副会長は足を運んだことはないようだが、彼の娘夫婦の情報によると高いとのことだった。
名古屋弁かもしれないので、追記すると支払った食事代金が高価だったということ。
彼はいつも美味いか不味いかを主観で話してくれるのだが、それ以外の視点だったのはおそらくはじめて。
そのせいか、どうしようもなくその店のことが気になってしまって、昨日の夜に自分は突撃。
自分が来店した感想は副会長が話してくれたことと同じになってしまった。
シンプルなラーメンとライス、そして替え玉を注文したのだが代金は1,100円。
ラーメン屋に一人で来店して1,000円を越えてしまうと、味を評価する気分が起きなくなってしまう。
そんな自分は貧乏性なのだろうか。