淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

旅の初日

 家財道具一式とは言わないけれど、靴、着替え、カメラ、パソコンなどを小さなポンコツカーに積み込んで家を出た。
 一張羅のスーツは車内にハンガーで吊るしたままだったので、見る人が見たら奇妙に思えたかもしれないが、皺がよらないようにするために自分なりに考えてしたことだった。

 昨日はゴールデンウイークの二日目。世間が浮かれていることがすぐにわかった。
 午前中の名古屋インターの周辺が混雑していたからだ。
 連休を楽しんでいる人、楽しもうとしている人の中、火曜日からの仕事のための引っ越し最中の自分。

 引っ越し先のマンスリーマンションには17時までには到着しなければならなかった。現地で駐車場の手続きなどをしなくてはならなかったから。
 スマホのナビや各種のネットサービスなどで調べると自宅から現地までは高速を走れば340㎞。3時間半ほどで到着できるらしい。
 だが、用心して喫茶店でモーニングサービスが終わる前の時間には家を出た。
 かなりの余裕を持ったつもりだったのだが、これが幸いすることになった。

 岡崎ジャンクションから新東名に入り、静岡県に入ると気持ちよく車を走らせることができた。
 新しい東名は高低差やカーブが少なくてドライブしていて気持ちよかった。
 制限速度が120㎞の道路を走るのははじめて。自分の車のオートクルーズ機能が110㎞までしか設定できなかったのが、少し残念だったが仕方がない。
 森町のパーキングエリアで休憩を取り、沼津のサービスエリアで昼食に海鮮丼を食べたころまでは、行楽気分をほんのりと感じていた。

昨日のお散歩ショット。

 自分が昼食を食べていた隣の席では、20代前半に見えた若い男性が二人で簡素な食事をしていた。
 そういえば自分も社会人になって数年経ったゴールデンウイークに、高校の部活の友人と二人で伊豆までドライブしたのを思い出した。しかも日帰りで。
 今、考えても無茶をしたと思う。
 夜遊び、パチンコや競馬などに浪費ばかりしていたこともあって、十分な旅費を自分が工面できなかったからだ。
 お金をバイタリティで埋め合わせようとしたのは若かったからだろう。
 とても今の自分には同じようなことはできない。

 御殿場ジャンクションで古い東名と再び合流した。
 このあたりは娘が小さかったころに車に乗せて走ったはずだが、景色を見ても全く記憶がなかった。娘、別れた妻とその両親をディズニーランドに出かけたときのことだった。
 あのときはいろいろと大変だったが、往復路で見た風景が記憶に残っていないのはなぜだろう。

 順調に流れていた車の流れが突然に止まった。大井松田インター手前十数㎞のところで。
 事故渋滞であることの情報は入手できたが詳細はわからなかった。
 サイレンを鳴らした車が何台も、自分たちをぶち抜いていった。

 止まってばかりの車列が思い出したようにのろのろと動いてはまた止まることの繰り返し。
 三車線が二車線に、二車線が一車線に規制されて事故現場に差しかかった。
 大型のキャンピングカーが倒れていた。誰かが横から押したように二車線を占拠して。
それまでに二時間近くの時間がかかったこともあって、腹立たしさを覚えずにはいられなかった。

 気がつくとナビの現地到着時間は16時を表示していた。
 東名から圏央道を経て中央道に抜けるルートを走ったのだが、はじめてのルートだったのでより焦りながらも、時間までに現地に到着したのでほっとした。

 手続きを済ませてから車に乗せた荷物を運びはじめた。
 自分の部屋は4Fだった。エレベータがあり、台車を借りることはできたが長時間のドライブの後だったこともあって、うんざりした気持ちで荷物を運んだ。

 だが、まだまだ昨日はやることがあった。
 日用雑貨、調味料や食材などをスーパーまで買い出しに行かなければならなかったからだ。
 マンスリーマンションの部屋には最低限のものしか備わっていなかったからだ。
 ティッシュペーパーは一箱、トイレットペーパーは二巻のみだった。
 よくなったとは言うけれど東京の水道水をそのまま飲むのもどうしても気が進まなかったので、飲料水も買いたかった。

 スマホの地図を頼りに近所のスーパーを探して、向かった。
 買い回りするのも疲れたけれど、買って帰った後にまた車と部屋を往復しなければならなかったのには気が滅入った。

 部屋への往復が終わると備え付けの炊飯器で買ったばかりのお米をセットした。
 炊飯中に入浴をしてから簡単な夕食を作ったが、すでに限界は近かった。
 夕食を食べたらもう、何もしたくはなかった。

 21時過ぎにはベッドに入ったのだが、疲れ過ぎていたせいだろうか。なかなか寝つかれなかった。
 枕が変わったこともあるだろう。
 このようにして、武蔵野での初日は終わった。

今日の写真のモデルはももなさん。