四連休は名古屋に帰らなかった。
今年のゴールデンウイークののぞみは全て指定席。車で帰るにしても高速道路が渋滞するのは目に見えていたから。
お金、時間と体力を費やしてまで自宅と往復する気にはなれなかった。
連休明けの来週は帰ろうかと考えていたが、迷いはじめている。
こちらでの暮らしに我慢できないほどのストレスを感じていないからだ。
それどころか、アラフィフになった自分が東京での日々を楽しめているのが意外な気さえする。
例えば三日の夜はこんな感じ。
先々週にこちらで一緒に登壇した講師の友人と呑みに出かけた。
その友人は豊洲にマンションを借りているので新橋で合流し、最初は駅近くの居酒屋で呑んだ。
その後は豊洲に移動して、その友人が昨夜に知り合っていた韓国からの旅行者と三人で引き続き呑むことになった。
だが、豊洲で入ろうとしたお店は一杯だったので、門前仲町まで移動することになった。
豊洲も門前仲町もはじめて。門前仲町は新鮮で気に入った。
路地裏には雰囲気がよさそうな居酒屋が軒を並べていた。
そのうちの一店の暖簾をくぐったが大当たり。
全体的にお値打ちで気取ったメニューはなかったが、肴は美味しいものが多かった。
友人が連れてきた韓国人は60代前半の男性。日本語がペラペラだったが、仕事でこちらに長く滞在していたことがあったようだ。
ちょっと意外な組み合わせの三人だったが、グラスを傾けていると楽しかった。
盛り上がっていたので、二人からはそのままはしご酒を誘われた。友人はマンションに泊っていけばよいとまで言ってくれたが断った。
翌日からは連休明けの登壇のための予習をしたかったからだ。
門前中町から分倍河原まで酔った状態で戻るのはなかなか大変だった。
地下鉄を乗り継いで新宿に出るのも、新宿で京王線に乗っても気が張っていた。
地下鉄の乗換を間違えたり、京王線を乗り過ごしてしまったりしたら最悪、高尾山まで行ってしまうからだ。
それでもなんとか、自分のマンションまで辿り着くことができた。
自分が連休を府中で過ごしていることを聞いていないといって、クレームをつけてきた人がいる。それは娘。
連休に退屈していたのか、自分に会うことを考えていたらしい。
ゴールデンウイーク明けに修学旅行に出かける娘。お小遣いをねだるつもりだったようだが、目論見が外れたようだ。
こちらに来たいならば来ればいいと自分が言うと、すぐにその気になった彼女。
自分のマンションからはサンリオピューロランドが意外と近いことを言い足したこともあっただろう。
自分からも別れた妻に許可を取ったが結果はNG。
ある程度、結果はわかっていたが予想通りになってしまった。
父親からはお小遣いをせびることに失敗したが、代わりに自分の母親からはゲットできたようだ。
娘がお小遣いをもらった日は叔父の誕生日だったので、三人で寿司を食べに行ったらしい。
祖母と叔父とで寿司を食べたことは娘の記憶に残るのだろうか。
祖母、自分の母親にとっては楽しい時間になった気がする。