月曜日の夜から港区に来ている。名古屋ではなくて、東京都の港区にあるホテルに滞在中だ。
今週の火曜日から金曜日と来週の月曜日の計五日間、浜松町に本社を構える企業の新入社員研修に講師として登壇するためだ。
ビジネスホテルで長期滞在することをそれほど苦痛とは思っていなかったけれど考えが変わってしまった。
四月の中旬に続いて某APAホテルを利用したことがきっかけになった気がしている。
四月には神奈川県の橋本駅近くに二泊。ユニットバスの部屋だったけれど、バスルームが窮屈でシャワーを浴びるのにも苦労した。
ただ、4桁の価格だったので、仕方がないと思って諦めていた。
今週、泊っている部屋の宿泊料は一万円超だが部屋はとにかく狭い。10㎡くらいだろうか。
フェイスタオルとバスタオルが寝臭かったのには眉をひそめた。
2Fから20Fまで客室があるのにコインランドリーと乾燥機は二台ずつしかないので常にフル稼働。宿泊者同士の取り合いになっている。
朝食はビッフェ形式。オープンキッチンで見た目は華やかだけれど肝心の味はとても褒められたものではなかった。
牛丼屋の朝定食の方がクオリティーははるかに上だった。
さらに致命的な問題がある。部屋の机があまりにも狭すぎたことだ。
ビジネスホテルを名乗るのには値しない重要な問題だと自分は考える。
ノートパソコンがなんとか置けるくらいの幅しかないので、ちょっとした仕事をするのにも苦労した。
まさか、そんな視点でビジネスホテルを評価するように自分がなるとは。
サラリーマン時代は出張があっても、ホテルで仕事をした記憶なんてないからだ。
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昨夜も日付が変わっても窮屈な思いをしながら、書類を作成していた。作成していたのは月曜日まで一緒に勉強していた10人の受講生たちの通知表のようなもの。
数種類の項目について、5段階の数値で査定して記入する。150字以上の所感も書き添えなくてはならなかったが、なんとか書き上げた。
だが、心が疼いた。
いくら仕事とはいえ、遠くない距離で接したと思っている彼らに対して、2以下の数値を書かなくてはならないことがあったから。
5段階の数値は相対的につけなくてはならなかった。当然、全員の全項目に5や4ばかりにすることは許されないことだった。
深夜に狭いホテルの部屋でそんな仕事をしていたらあることを思った。
学校の教師たちはどんな思いで通知表を書いていたのだろうかと。
学生時代を振り返っても、恩師と思える人なんてほとんどいなかったけれど、先生は先生なりの心労がほんの少しだけ想像できたような気がした。齢50を越して。
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