淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

まったりとしたGWの1日

 作家の江國香織さんが「雨はコーラがのめない」の中で『まったり』という言葉を美容師から初めて聞いてびっくりしたエピソードが書かれている。
 マスヲにとっては作家の中でも江國さんは言葉の選び方が繊細なイメージが強かったので、そのエピソードの下りが「雨はコーラがのめない」の中でも一番気に入っています。
 女性が書いたエッセイを読むのが好きな人は読んでも損はしない一冊だと思う。

 さて、マスヲにも久しぶりにまったりとした1日がやってきた。理由のひとつは天候の不良を考慮して、スキーに出かけなかったこと。もうひとつは、今日は仕事が何もないことだろう。

 マスヲの正職はシステムエンジニアだが、実は今年で10年目になった副業もある。飲食店、数店舗のチェーン店のラーメン屋でのアルバイトだ。
 きっかけは、リーマンショックによりお金に困ったことだったが、それから何度か仕事を変わって今の会社の前に所属していた会社のころには、アルバイトを辞めても生活できる目途が立ちはじめた。

 自分でもそろそろ少しのんびりしてもいいだろう、と思ってアルバイト先の社員にやんわりと退職の希望を伝えた。
「淡白さんには助けられているので、出来れば週末の1日のどちらか数時間だけでもいいので続けて欲しい」と言う言葉をもらった。
 マスヲは天の邪鬼な面も持っているが、上手に煽てられると何処までも登って行ってしまうのが欠点でもある。
 その言葉を間に受けて現在も、何度か辞めようと思いながらもアルバイトを続けている。

 彼に言われて嬉しかった理由は他にもある。以前の記事でマスヲが鬱病をわずらったことがあることに触れたが、そのことに気が付いてくれたり、助けてくれた人はほんの数人だったのだが、彼はそのひとりだったからだ。
 身内であるはずの義父に事情を詳しく話していたのにも関わらず厳しいことを言われたのに、何も話していないはずの彼から体調のことに気が付いてくれて気遣ってもらったのには今でも感謝している。
 じつは、その際一緒に働いていた高校生も気が付いてくれて、こういってくれたのも忘れられない。
「淡白さん、なんか今日はおかしいですよ。今めちゃくちゃ忙しいけど、俺ひとりで5分間だけはなんとかするので、座って休んでいてください」、と。
彼が20歳を迎えたあとにこちらから電話をして、お酒を飲みながらそのときの感謝を伝えたのも、もう数年前だ。

 アルバイトをしていることを知っている友人の中には、会うたびにマスヲが働き続けていることを知って、あきれたり心配してくれたりしてくれているが、意外なメリットもいくつかある。

 正業のほうでは、数々の駄目プロジェクトに(業界の通称ではデスマと呼ばれる)参加したが、マスヲの中では今のところワースト2だと認定しているプロジェクトに参加しているときのことだ。
 そのプロジェクトは最初は大阪、最後は東京で行われたプロジェクトで、平日は現地でのホテル暮らしで週末には名古屋に帰ってくる生活をしていた。
 平日は毎日深夜まで残業するのは当前で土日のどちらかを出勤するのもいつの間にか当たり前のようになっていた。
 そのため、名古屋や他の地域から参加していたエンジニアの中には疲れがたまっていることもあり、週末に帰宅するのをやめて現地にそのまま残る人間が次第に増えていった。
 
 当時、マスヲはラーメン屋でのシフトは土曜日の昼番だったので意地でも金曜日の最後の新幹線で帰り、正職の方で週末の出勤を促された場合には日曜日にプロジェクト先に出勤した。
 確実に名古屋に帰ることの効果だけでも相当なストレス解消になっていたはずだし、現地での愚痴をラーメン屋の朝の仕込中などに、大変だねと苦笑いしながら他の従業員に聞いてもらえただけでも、かなり気分が晴れた。

 プロジェクトが進むとマスヲと同じ会社の人間がひとり心の病気になり、出勤しなくなった。そして、会社の人事部と産業医の判断でプロジェクトから離脱した。大阪から東京にプロジェクトの作業場所が移るころだった。
 作業場所が東京に移ってからしばらくすると、マスヲと同じチームでいつも何かと助けてくれていたメンバーもストレスで診療内科にかかるまでになってしまった。
 マスヲの近くのメンバーだけでなく、他チームのメンバーや元受のプロパー社員などの何人もが心身の調子を崩してプロジェクトを離脱していった。
「これでワースト2のプロジェクトですか」と他の会社の20代のメンバーにお酒やランチのときによく言われているほど、マスヲは駄目プロジェクトに慣れていることもあったかもしれないが、確実に名古屋に帰ってきてさらにアルバイト先で気分転換ができていたことが自分の心身のためになっていたと、今振り返ってもそう思う。

 また、仕事をする中で働く人同士のコミュニケーションや相性が大事なことにも気が付いた。
 マスヲがバイトをはじめた時には、お客さんからおばあさん扱いされるような年齢のパートの方がいた(今は年齢のために退職されてしまったが)。
 年齢のこともあり、ふたりで仕事をするとどうしても仕事量のバランスの比重がだんだんとマスヲに傾いてきたが、マスヲにはまったく不満もなかったし、彼女との相性がよかったことによる働きやすさの方が印象として今でも残っている。

 ときには、店舗の社員が会社から理不尽な評価や指示などを受けて困惑しているのを見たりすると、会社というのはどこも似たようなものだと、妙に納得したりもしてマスヲが慰められているような気分になったりもする。

 マスヲ自身が実はラーメン好きだったことに気が付くことができたなど、他のメリットを挙げたらきりがないが、そうは言っても、元来怠け者でもあるマスヲ。のんびりとまったりしたい日だって必要だし、最近は少しそれが足りていない気がしていたので、今日まったりできることを大事にしたいし、今日この文章を書くまでの時間は理想的にまったりできていると感じている。

 マスヲの今年のGWは4/29日30日は記事にも書いた通り、1泊2日でのスキー。5/1日と2日は正業であるシステムエンジニアとして休日出勤し、5/3日~昨日までは毎日ラーメン屋で昼間は働いていた。今日だけはまったりとし、明日はスキーに出かけて、5/8日からは正業のシステムエンジニアとして出勤する予定になっている。