今の現場に着任して三週間と少し。
まだ、客からありがとうと言われたことがないことに気がついた。
自分のような客先常駐のシステムエンジニアの場合、文句は言われても感謝の言葉を聞くことはまれなので、仕方がないことなのかもしれないが。
あるプロジェクトでNECのプロパー社員も同じような愚痴を口にしていたので、会社の規模や立場はあまり関係ないのかもしれない。
それでも前の現場では、客側のエンジニアが幾度となく感謝の言葉を述べてくれた。
珍しく自分がするべき仕事を少しは果たしたという自負もあったので、その言葉を素直に受け入れることもできた。
昨日のお昼、お弁当を食べた後に車内で午睡をしていると、スマホに着信があったが発信相手を確認しただけでそのままにした。昨年、灯油の巡回販売時にお世話になった責任者からの着信だった。
貴重なお昼寝タイムを割く気にはどうしてもならなかった。こちらから、今シーズンも働かせて欲しいとお願いしたら少しだけ待って欲しいと返されてから一月半。
それっきり梨の礫だったから、もうあてにしていなかった。
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昨年よりも体力が落ちていること、身体のあちこちに痛いところが増えていることも実感しているので、無理をしないようにのんびりすることを決めかけていた。よって、他の副業なども探していなかった。
仕事が終わった夕方、こちらから電話をすると責任者が出た。
今シーズンも同じ土曜日に同じコースでお願いできないかとのことだった。人も少なくてコースも余っているとのことだった。さらに、日曜日は無理でも祝日だけでも手伝ってくれないかとも言われた。
迷ったが土曜日のお手伝いは了承した。祝日は三河の国の暦に従わされている事情を説明して断った。
迷ったのは以下のことが頭をよぎったから。
娘が一緒にスキーに行くのは日曜日よりも土曜日の方がいいと言っていたし、自分の五十肩もそれほど調子がよい訳ではない。
さらに平日は毎日50㎞も運転をしているのに、土曜日にはその何倍もの距離を仕事で運転するのが躊躇われたから。
それでも頼まれると嫌とは言えない性格だし、三月までお世話になったお客たちが口々に言ってくれた言葉を思い出したら、了承していた。
社会の歯車として働くとしても、たまには他人からあたたかい言葉をかけられたいものだから。