いつもの月曜日とほぼ同じ時間に起きたが、車で家を出たのは少し遅め。車を向けた方角も違った今朝。
高速道路を乗り継いで岐阜との県境近くの街まで向かった。
今日は有給休暇を取得していたが、昨夜から気が重かった。完全な休みではなかったからだ。
話は家のローンを払い終わった後に仕事を辞めてふらふらしていたころの二年前へさかのぼる。
新たに興味を持ちはじめた写真の撮影技術向上の手段として、撮影に関わる仕事を探していた。
大学や専門学校などで写真やカメラのことを体系的に学んだこともなかったし、芸術的センスのかけらもないアラフィフのオッサンにそんな仕事はすぐに見つからなかったが、なんとか撮影のアルバイトに採用されたのは二年前の夏だった。名古屋城で観光客を相手にしてスナップ写真のアシスタントと撮影のアルバイトを三ヶ月ほどしていた。
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同じころにスクールフォト撮影の業務委託にも登録していた。委託元の会社の説明会に参加して、面談までは受けていたがそれっきりになっていた。
次のステップとして現場での撮影研修を受ける必用があったのだが、会社と自分のスケジュールがフィットしなかったからだ。
その後は流行病のこともあって、その委託業務のことはすっかり忘れていた。
だが、先月に先方から研修の案内のメールが届いた。前触れもなく唐突に。
研修予定日は平日だったので迷ったが受けることにした。有給休暇は残っているし、今の仕事先の状況を考えると自分が一日くらい休んでも問題はないと考えたからだ。
今日、自分が研修を受けた場所はとあるこども園。
こども園のことをざっくりと説明すると、保育園と幼稚園を足して割ったようなもの。
社会問題となっている待機児童解決などのために行政が考えた一つの手段だった。
素人目には悪くはないアイデアだと自分は思っていたが、現場で働いているプロにとってはそうでもないらしい。
子供が産まれる前の妻が、こども園を増やそうとしている世の流れにえらく怒っていたことを覚えている。
妻と知り合う前までの自分は保育園と幼稚園の違いについて、全く理解していなかった。
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妻のおかげで言葉だけは知っていたこども園へ、はじめて足を踏み入れることになった今日。園内での子供たちの日常を撮影するために。
研修は園の駐車場で委託元のカメラマンと落ち合うことから始まることになっていたのだが、約束の8:30になってもそれらしき車は駐車場に現れなかった…。(続く)