淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

退却戦

 今朝、今の現場に新兵が配属された。年齢は50歳を過ぎているだろう。もの静かな感じだ。
 3連休前の11月2日までが契約だったエンジニアが何人かいたことを昨日、誰も座らなくなった机を見て初めて知った。自分の右前、『串 勝男』の正面の席の男性もその1人だった。時折、勝男の言葉によくリアクションしていたので彼の言葉が独り言にならずに済んだことが多々あった。彼は勝男には優しい人だったかもしれないが、自分には挨拶もなく去っていった。

 そんな彼が座っていた机が空いていたのも昨日の1日限りで、今日から新兵の席になったのだ。
 新兵に女性部長と課長が今日の午前中、代わる代わる付きっ切りで何かと世話を焼いていた。そんな2人の光景は初めて見た。よっぽど補充された新兵が貴重なのか、去っていく傭兵たちが多いことへの反省なのか、理由はわからないのだが、夕礼には新兵の自己紹介までさせるほどの対応だった。

 だが、今月末までで今の戦場を去っていく勇者が何人もいることを自分は知っている。実は、『串 勝男』もその1人だ。
 彼の態度は開き直ったように変わってきた。そう書くと、彼に愛着を持っているこのblogの読者の中には、彼が出社そうそうに朝一から串カツを食べるような振舞いを想像している人もいたかもしれないが、それは全く逆だ。
 定時時間は当然、自分が帰社するまで彼が串カツを食べることを見かけることは無くなった。当然、彼のマイソースが活躍することもない。

 それどころか、今日は作業の進め方について女性部長に理路整然と意見していた。隣で聞いていて自分は驚いたが、どうして今さらという気もしたが、それが彼の退却戦の戦い方なのだろう。
 戦いでは進軍よりも撤退が難しいと判断されるが、その中でも殿が一番難儀だ。

 自分の契約は最低でも12月末までなので、勝男よりも後まで戦場に残らなければならない。もし、さらに契約が更新されるようなことになれば自分が傭兵たちの中で殿を務めることになるかもしれないが、そのときはどのような戦況になるのだろうか。考えると少し憂鬱だ。
 カツオは去り、マスヲは残る。それはもう決まっていることなのだ。

 午後、かつて自分に横柄だと言ってつっかかってきたプロパー社員が客先に納品したテスト結果に困って頼ってきた。掌を返したように。聞かれた部分についてはそれなりに自信があった部分なので即答したが、戦場ではいつ風雲急を告げるかもわからない。
 不穏な雰囲気になる前に、明日の代休に備えるためにも定時で帰宅した。

双子のガールフレンド

 今朝、通勤時に乗換の駅で双子の女性を見かけた。20歳前後で学生に見えた。しかも、上下ともお揃いの装いで程よい距離感で真横に並んで歩いていた。これで残念な容姿だったらみっともないだけなのだが、自分は目を奪われた。
 おそらく彼女たちも外見にはそれなりに自信があるのだろう。そうでなければ2人で着る物を併せるようなことはしないはずだ。
 彼女たちを見かけたことで思い出したことがふたつある。

 ひとつは村上春樹のエッセイだ。彼が若い時のエッセイの中で双子のガールフレンドが欲しいと書いていた。そのエッセイを読んだ時は自分の想像力が乏しいせいかあまりひっかかるものがなかったが、今朝そのことを思い出した。
 もし、彼女たちと3人で食事をしたり、街を歩いたりできたらそれだけでどんなに気分が高揚するだろう。日常と切り離されたような気分で時間を過ごすことができるはずだ。
 2人を見かけた駅は今の現場に限らず、現場が名古屋市内であれば乗換に良く使っている駅なのだが、彼女たちに気がついたのは初めてだ。
 彼女たちがその駅を利用したのはたまたまなのか、それとも今まで何度か自分とニアミスしているのだが気が着かなかっただけなのかどちらなのだろう?
 明日から、しばらくは小さな朝の楽しみが出来た。

 もうひとつ思い出したことは、双子のある同級生だ。小中高と双子の何組かと学校で机を並べたことがあったが、女の子は1組だけだった。だが、2人とも美人だったことを覚えている。
 しかも、その双子とは姉妹とそれぞれクラスメイトになったことがあるし、妹と同じ高校に進学した。

 自分が卒業した高校は県立ではあるが自宅からふたつの市を跨いだ場所にあるし、電車で通学すると私鉄からローカルな第3セクター鉄道への乗換が発生することもあって通学に1時間以上かかる。
 そのせいで、地元の中学からはその高校へ進学したのは10数人でそれほど多くなかったこともあって、彼女とは通学時や学校などで顔を合わせても挨拶やちょっとした会話くらいはした記憶が残っている。
 今思い返しても、姉ではなく彼女と同じ高校を選択してくれたことが良い思い出になっている。姉ももちろん魅力的だったが少しクールな感じがして、ちょっと話すのにも緊張したからだ。
 妹は逆にチャーミングなタイプだった。笑顔が印象に残っているし、その笑顔がより彼女を魅力的に見せていたのはもちろんだが、その表情のおかげで不器用だった多感だった思春期の自分でもあまり緊張しないで話すことができたとことを覚えている。
 高校を卒業してから、彼女たちの噂をほとんど聞いたことが無いが元気でいてくれると嬉しいし、そうであって欲しいと思っている。

サラリーマンの鏡

 今朝、副業先に出勤すると本社からの月例の売上報告書が目につく所に置いてあるので、目を通した。
 10月の売上が昨年と一昨年と比べると右肩下がりになっていた。確か9月も同じように売り上げが右肩下がりだったと記憶している。
 従業員を馬鹿にしているのか、その報告書には一日あたりに何杯のラーメン分が増減しているかが書いてある。
 その報告書が掲示されたころから見るのは気分が悪かった。そんな換算した表記をするくらいならば、前年や一昨年に対する曜日毎の比較や営業時間毎の比較をするべきだと考えていたのだが、今月は違った。報告書の最後に営業時間毎の比較もされていた。全ての時間が一昨年に比べると売上が減っていた。

 ここ数年は週末に1回出勤するだけなので、それほどお客や売上が減っているように感じていないが、計算されてしかも比較しやすいようにグラフにされていたので、わかり易かった。
 ただ、自分は副業先ではあくまでバイト。会社の利益なんて知ったことではない。売上が上がった時期に極端に厚遇された訳でもないからだ。しかも、10年回働いて基本給の評価が10円しか上がっていない。
 別にそのことに不満がある訳ではない。売上が上がったときに評価されないのに、売上が落ちたときに何かしら求められてもそれは筋が通っていないと考えているだけだ。

 報告書の最後に、今月の店長会議までに原因と対策を考えて報告するようにと書かれていた。
 世の中にありふれている普通な会社、普通な経営者だと思わざるを得なかった。現場に権限を与えずに責任だけを押し付けている、ありふれたサンプルだ。

 一緒に働いている社員にそのことを話すと、あいつは言い訳の名人だから会議でも切り抜けるだろうというようなニュアンスを話していた。
 あいつとは以前このblogでも何度か取り上げたマコちゃんのことだ。
hatehatehahaha.hatenablog.com
 店長ではないが、それよりグレードの低いチーフという役職についているため、店の責任者を務めている。

 自分が働きはじめたころには、彼の指示で高校生のバイトが換気扇を洗浄した際に、ショートして壊れてしまった。故障の原因の報告を高校生のせいにして会社に報告したのを知ったときは本当に驚いた。だが、今では彼が同じようなことをしても驚くことはないだろう。彼の人間性をある程度知ってしまったからだ。
 似たようなことを自分も10年の間に何度かされたし、知らないところでされているだろう。それが彼の最大のスキルだと自分は考えている。
 そういった振舞いに敬意をこめて、彼のことを『サラリーマンの鏡』と呼んでいる。

今年の流行語大賞を予想する

 そろそろ世間では今年のいろいろな物事の総括が始まる時期だろう。文書を読んだり、書いたりすることを楽しんでいる自分としては毎年気になっている賞がある。流行語大賞だ。

 昨年は『神ってる』が大賞を受賞した。また、『保育園落ちた日本死ね』がノミネートされたことが物議を読んだことが印象的だった。自分としてはノミネートされることが妥当だと考えていたが、日本を愛しすぎている人たちを中心に非難がかなりあったのに驚いた。

 選考委員の1人である俵万智さんの説明をテレビで見たら、自分はすんなり納得した。彼女は著名な歌人だ。市井の人々はもちろん、散文を書くことを仕事にしている人よりも言葉に対しては敏感であることは間違いない。

「死ね」という言葉が公共の場で見たり語られたりすることは憚られることかもしれないが、そんな言葉でしか待機児童問題に悩まされている人たちにとっては心情を表すのが難しかったに違いない。
 また、その言葉によって国会でも取り上げられることになったので、ある意味昨年の世相を表した言葉のひとつであることは間違いないだろう。

 さて、今年はまず何がノミネートされて対象はどの言葉になるのだろう。個人的には『インスタ映え』ではないかと考えている。
 自分が今年からInstagramをはじめたこともあるので、身近に感じているせいかもしれないが、Instagramはスマフォの普及率と相まって情報のC to Cを加速させているのは間違いなく、時代も捉えていると思う。
 人間の情報は7割が視覚と言われている。Instagramは写真だけでなく動画や動画のライブ配信なども行えるために、より情報の受け手に対して影響を与えやすいだろう。

 自分はInstagramではフォローしているだけで情報を発信したことがほとんど無いので、インスタ映えを追い求める気持ちはわからない。
 ただ、オフラインである実社会では年々、世間が寛容さをなくしているように自分ですら感じている。
 そんな中で暮らしていると人はどうしてもなかなか自己肯定も自己承認を感じることがは難しくなるだろう。

 一方、閉じたインターネット社会の中で顔を見えない相手であっても、割と簡単に自分の情報が承認されるのであれば、そのことに中毒性を感じるのは仕方がないことなのかもしれない。
 もちろん、自分だってこのblogを貶されたり無視されたりするよりは、肯定された方が気分が良くなるからだ。

初釣行2017

 今日は今年の初釣行に出かけた。今年は仕事のせいで11月になってしまった。なにもかもを仕事のせいにするのは自分の得意なところかもしれない。
 誘って一緒に出掛ける友人と最初は入鹿池でのワカサギ釣りを考えていたが、今日の天気予報で気温が高くなることがわかったので、ターゲットと釣行目的地を変更した。木曽川下流部にハゼを釣りにいくことにした。

 ポイント近くの餌やで道具と餌だけでなく最近のポイントも仕入れてポイントに向かった。店の情報だともうすでに、穴釣りの時期だというので立田大橋上流部のテトラ地帯を目指したのだが、そのポイントはすでに人に取られていた。

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水面も穏やかだが竿もほとんど動かない
 仕方なく、立田大橋下流部のテトラ地帯で竿を出したが、当たりがさっぱりない。まわりの釣り人もほとんどつれていない。風もなく穏やかで絶好の釣り日和なのに。
 そのポイントを諦めて昔からよく訪れている秘密のポイントに移動した。秘密というくらいだから、少々悪路を走行しなくてはいけないのが欠点なのだが、ポイントに到着すると自分と友人だけの貸し切りだった。
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このポイントの景色は自分のお気に入り
 このポイントは河畔の状態が野趣にあふれており、竿を出しながら景色をみているだけでも心が和む。のべ竿でポイントをこまめに変えるために歩きながら、竿を振っていると長めのTシャツ一枚でも暑く感じるほどだった。
 最初は2人ともほとんどあたりを感じることもなかったが、粘っていると小さなあたりを感じるようになり、なんとか2人で数匹釣ることが出来た。坊主逃れはできたが、つ抜けはできなかった。

 釣果は寂しかったが何より今年初めての釣りをすることができたのがなによりだった。
 納竿して帰宅しようとするとすぐに悪路に車が捕まってしまった。自分のコース取りとハンドル裁きのまずさのせいでぬかるみにはまってしまったのだ。
 最初は2人で押したり、タイヤに拾ってきたものを噛ませたりして脱出を試みたが上手くいかなかった。

 仕方がないので自分が加入している保険会社のロードサービスに依頼すると、今回のような状況だと無償ではないという。出先ではその保険会社との約款を確認するのは難しいが、仕方がない。
 電話のオペレータの話だと費用は高くでも2万円ほどだというので、了承してサービスを依頼した。

 すると今度は保険会社から依頼されたレッカー会社が場合によっては重機の出動が必要になるかもしれないので、そうなった場合は10万円を超すと言われた。
 いくらなんでもそれは大袈裟過ぎるし、状況から考えると妥当性に欠いているとしか思えなかった。
 結局、出向いてくれた軽4駆で引き上げて脱出することができた。費用は税込で16200円。自分の不注意で招いたことだが、少し高い授業料になってしまった。