淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

しゅんさい

 日曜日、雪遊びをした帰りに道の駅へ立ち寄った。そろそろコシアブラが買える時期ではないかと思ったからだ。
 山菜の中でも、天ぷらのタネの中でもコシアブラが一番気に入っている。

 売場で見かけなかったので蕗の薹を買物カゴに入れてレジ係の女性に尋ねてみた。四月の上旬くらいには売場に並ぶのではないかとのことだった。
 女性はさらに次のような言葉を付け加えた。最近はタラの芽よりも人気があること、彼女自身もコシアブラの方が好きであると。
 自分がマイナーだと思っていた山菜コシアブラ。世間では少しずつ認知されているようだ。

 揚げ物をしない家庭が増えているらしいが、コシアブラを買い求めた人はどのように調理して食べるのかが少し気になっている。
 天ぷら以外の美味しい食べ方があるのだろうか。

 ちなみに一昨日買った蕗の薹は少し工夫して味わった。
 買ったときは天ぷらにしようと思っていたのだが、帰宅すると疲れてそんな根気がなくなってしまったから。

 スマホで少し気になっているレシピをネットで調べると思っていたよりも簡単そうだったので挑戦してみた。そのレシピとは蕗味噌。

 細かく切り刻んだ蕗の薹をゴマ油で炒めた後に砂糖、お酒、みりんと味噌を入れて混ぜてみた。
 味見で少しなめてみたら驚いた。味噌と砂糖の甘辛い味に蕗の香りが組み合わさった奥行きのある味わいだったから。
 すぐに冷蔵庫から豆腐を取り出して、できたての蕗味噌を乗せてペロッと食べてしまった。

 1/3ほど蕗の薹を残していたので、昨夜はさらに工夫してみた。和洋折衷で調理した。
 少量の蕗味噌を作ってから、生クリームを足したソースをパスタで味わった。彩りも考えて具としてカニカマを入れて。
 ちょっと塩辛くなってしまったが悪くない味だった。蕗を炒める時にはオリーブ油、ソースを作る時には粉チーズを使ったのもナイスアイデアだった気がする。
 ビールを飲みながら味わったが、白ワインとともにたのしむのも悪くない気がしてきた。

 そのためにはまた蕗の薹を手に入れなければならないが、自宅近くのコンビニで買えない。
 旬の素材は手に入れられる時季も限られている。

 自分が季節を味わうことに限りがあることにも気がついた。少し寂しいけれど、若かった時には山菜などの味わいには気づけなかったことも事実だ。

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今日の写真のモデルはRIHOさん。

ターン

 自分がホームゲレンデにしている野麦峠スキー場は今日が今シーズン最後の営業日。
 昨日は仕事で疲れていたが、なぜか今日は雪遊びに行く気が満々だった。
 昨夜、入浴して夕食を食べるとそのままゲレンデに向かいそうになるくらい。

 身体は疲れていたが、ひとつの仕事にキリがついたことも自分を高揚させていたのかもしれない。
 久しぶりに子供のような気持ちになって眠りについた。

 スマホのアラームをセットしたのは5:30だったが、実際にアラームが鳴った時には、家を出る寸前だった。
 玄関を出ると外が少し濡れていた。眠っている間に雨が降ったのだろう。

 最寄りのインターから高速に入って中央道へ車を進めた。
 昨日に続いて車窓から岐阜県の桜を見た。窓と桜が咲いている場所は違ったが。
 瑞浪市くらいまでは満開かもしれないと思っていたが、中津川インターを降りて国道19号線を走ってもしばらくはよく花は咲いていた。

 道中の車の流れは悪くなかった。途中、木曽福島の道の駅で小休憩をしたが、その後も順調に車を走らせることができた。何度かフロントガラスのワイパーを使ったが。

 いつものように薮原で国道を離れて県道を走ったが道に積雪はなかった。それでも境峠が近くなると、道路脇に雪が残っていた。
 現地に着いたのは8:00過ぎ。今シーズンはじめて、リフトの営業開始時間に間に合った。

 そのまま運転席に座って休んでいると、フロントガラス越しに雨がパラついてきたのがわかった。
 車からスキー板を降ろして着替えはじめると、駐車場を去っていく車があった。その気持ちもわかる。
 前日まではゲレンデトップからベースまで滑走することができていたようだが、下部のコースは閉鎖されることが今朝になってアナウンスされたからだ。

 前回、雪遊びをしたのは2月14日。一ヶ月以上も経ってしまったこともあり、雪遊びに少し自分は飢えていた。
 雨の中でも一本だけは滑るつもりだった。

 霧雨が降る中、スキー板をかついでゲレンデに上がった。一本目のリフトを降りると、雨は気にならないほどに弱くなった。
 二本目のリフトに乗ってゲレンデトップに近づくとガスっていた。

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今日の野麦峠スキー場。スマホにて撮影。

 それでも陽が差していなかったおかげで、気温の割にはコースの状態はよかったと思う。上部のコースはほぼ解放されていたし。
 営業開始から二時間ほどしかゲレンデには滞在しなかったが、満足できたし気分転換にもなった。

 春は好きではないが、春スキーは嫌いではない自分。
 まだ少しだけ、自分の雪遊びの季節は残っている。

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今日の写真のモデルはarinaさん。

美濃路

 三月最後の土曜日だった今日。朝から春らしい穏やかな日だった。冬は確実に遠のいているのを感じた。
 世間では仕事の人もいただろうが、休みだった人も少なくはなかったはずだ。

 今日は絶好のお花見日和だったのではないか。
 予報によると明日は雨。見頃だった桜が雨で散ってしまうかもしれない。

 自分は美濃路へ赴いていた。いつもの土曜日のようにローリー車に乗って。
 車のスピーカーから流していた童謡の曲はいつもと同じだったが、アナウンスは先週までと違っていた。
 今シーズン最後の灯油の販売日であることを女性の声で告げていた。

 今日の売上げは1,674ℓ。先週よりは少しだけ売上げは上がった。真冬のころに比べると、かなり売上げは落ちているが、それでも仕事が終わるとかなり疲れた。
 所長によると売上げが1,000ℓに満たなかった売人が今日は何人かいたようだ。そのことを考えると悪くない数字だったのかもしれない。

 朝、最初の販売担当エリアに近づくと少しずつ自分が感傷的になっているのがわかった。
 昨シーズンも最後の日は感傷的な気持ちになっていたようだった。
hatehatehahaha.hatenablog.com
 だが、昨年と今日の気持ちはいくぶん違う。
 大きな違いは、今のところ来シーズンはこの仕事を手伝うつもりがないこと。
 少なくとも今朝、販売をはじめるまでの決意は100%に近かった。

 対価が割に合わないこともあるが、昨シーズンと違って今シーズンははっきりと自分に限界を感じたからだ。
 昨シーズンよりは販売量が上がったこと、マスクを着けての作業だったことを差し引いても。
 専従者のように毎日続けることは、おそらく自分には無理だろう。
 システムエンジニアとして働くことの方が向いていることを認めざるを得ない。誰かに喜ばれる仕事よりも、誰に喜ばれているかわからない仕事の方が。

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今日のお散歩ショット。岐阜県某所にてスマホで撮影。

 販売を終えて営業所に戻ると少しだけ気持ちが揺らいでいた。馴染みのお客さんたちと触れあったことが大きいだろう。
 今日、あるお客が自分へ次のようなことを口にしてくれた。今の私たちは何かを待っているのかもしれない、と。
 その言葉がすんなりと自分の中へ入ってきた。
 今の自分は何かを待っている。何かが何かはわからないけれど。
 その待っている何かを探すために、明日があるような気もしてきた。

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今日の写真のモデルは鈴原華鈴さん。

損得

 自分が住む街では桜が満開に近づきはじめている。
 平日は通勤のために往復二時間近くのドライブをしている。ここ数日はどうしても桜の樹が目に入る。

 桜の花が好きな人は多いようだが、変わり者のせいか自分はあまり好きではない。
 春が好きな季節ではないこともあるかもしれないが、春の花でも好きなものはある。
 ちなみに菜の花は好きな花の一つだ。

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今日のお散歩ショット。

 今日も桜の花を見ながら通勤した。猿投グリーンロードを利用して。
 やっと工事が終わったと思っていたが、また工事が始まってしまった。
 先日までは走行車線を工事していたが、今回は追越し車線が塞がれている。
www.arcc.jp
 気疲れしながらも通勤すると、いきなりやる気が削がれるようなことが起きた。午前中の打ち合わせで。
 ここ一週間、プロパー社員の指示でやってきた作業内容のことで、他のパートナー会社のエンジニアから揚げ足を取られてしまった。
 自分が仕事をやり過ぎて、彼の作業範囲を犯してしまったことが気にいらなかったらしい。

 自分はあくまでプロパー社員の指示で作業を進めたたけなのに。しかも、昨日は15分の残業までしていた。
 マネージメントをしなかったプロパー社員が一番悪いが、そんなつまらないことで自分を非難する人間も小さいとは思う。

 その打ち合わせに同席した隣に座っている若いエンジニアは、自分に少し同情してくれたようだった。愚痴を聞いてくれただけでなく慰めの言葉まで口にしてくれたから。

 彼と話していて、自分は大事なことを忘れてしまっていることに気がつけた。最低の仕事をして最高の対価を受け取ることがサラリーマンの価値であることを。

 お人好しであることもあって、子供のころから損得を計算することが苦手。
 コロナ禍になってから、世の中はより即物的な方向への流れを強めている。
 そんな中、対価のことを意識しないで暮らしていくことはかなりリスキーだということにやっと気がつけたのに。
 このごろはちょっとのことでも損得に拘るように気をつけているつもりだったが、まだまだ自分はアマチャンなようだ。

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今日の写真のモデルは𝐰 𝐚 𝐤 𝐚さん。

きっかけ

 ちょっとした自分の不注意で、このblogの毎日の連続更新が一昨日に途切れてしまった。たった一分だが日付が変わる前までに記事の掲載が間に合わなかった。
 blogの更新の途切れる日は訪れるとは思ってはいたが、その時の感情は自分が想像していた以上に穏やかだった。
 開設してから1,443日目。4年目の目前で、その日は突然にやってきた。

 正直、最近はblogを書くことが少しストレスにもなっていた。記事を更新することをどこかで義務のように思っていた気もする。

 今の現場へは車通勤。心身ともに疲れが溜まっていることもある。
 公共交通機関を利用しての通勤であれば気を抜いてぼんやりしていても、目的地まで移動できるが車だとそうはいかない。
 マイカーでの通勤だと流行病への感染リスクが下がるメリットは認めるが。

 今回の不注意をきっかけにして、このblogを不定期更新にすることを決めた。
 週に五回くらいの頻度で更新できればと、今は考えている。週に一度は完全にオフの日が必用ではないかと、思うようになってきたからだ。
 何かと無理がきかない年齢になったことを素直に認めることも必用なのだろう、きっと。少し悔しい気はするが。

 ポートレートを撮ること、撮ったデータを現像することに気が乗らないことも目立ってきた。
 このblogの文末に日替わりでポートレートを掲載しようとすると、費用だけでなく時間もそれなりに必用だ。

 今回の決断は、写真撮影に対しての向き合い方を変えるいい機会にもなったかもしれない。
 blogの更新頻度を落とせば、掲載する写真も減らすことができるからだ。

 人と人とがわかりあえないと思うことが、年を重ねる毎に増えている。自分に対しても、他人に対しても絶望することも。
 それでも他人とコミュニケーションを取ること、そのための何かしらの自己表現が必用だと考えている。
 そのためにもまだしばらくは言葉を選んで文章を紡いでいくつもりだし、カメラを手放すつもりもない。
 自分の表現力では、何も誰にも伝わらないかもしれないが。

 それでも、これからはボチボチとのんびりとよりマイペースで歩いていくことを決めた自分。
 歳なので、転んだりすることが増えてはいくだろうが。

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今日の写真のモデルはちゃきさん。