淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。広く浅く、そして薄い視点で気楽に書いてマース。

モネの池よりも、紫陽花ロードよりも

 一昨日の月曜日の午後、雨が上がるとうずうずしてきた。写真を撮りたくなっていたからだ。雨上がりの屋外でシャッターを切ると、空気が澄んでいることが多いのでよりよい写真になりやすい。

 自宅で昼食を食べると、自分の意思に正直に従って車を走らせた。岐阜県関市の板取にある根道神社の池、通称モネの池に向かって。
 今まで一度も足を運んだことがなかったので、一度は行ってみたかったし、どうせ行くのなら睡蓮の花が咲く今の時期が一番だと考えたからだ。
 板取及び板取川という言葉は知人友人からは、今までよく聞いてはいたが、自分がその地区に足を踏み入れたことはなかった。
 岐阜県は自分が住む愛知県の隣だし、距離も車を走らせれば高速を使わなくても2時間もかからないのにも関わらず。

 今日の記事を書くに当たって、板取のことを調べるとあることを知った。現在は関市だが、以前は武儀郡板取村であったことを。
 武儀郡という言葉からは、自分の経験からどうしても他の地区のことを連想してしまうが、郡と呼称されていたのだから、いくつもの町村が属して広かったのだろう。
 ちなみに武儀郡に所属していたのは洞戸村板取村武芸川町武儀町上之保村の4町村だったらしい。

 県境を越えて岐阜県に入り、長良川を越えて板取川を併走するころになると、晴れていた空は雲が多くなってきた。
 アスファルト舗装された道はところどころに水たまりを残していたが、ほとんど乾ききっていた。
 ただ、しばらく車を走らせると車のフロントガラスに小さな雨粒が時折、着いたがワイパーを使うほどでもなかった。

 それ以上、はっきりとした雨が降ることはなく、かといって厚い雲の向こうから強い初夏の陽射しが差すわけでもなかった。
 道路脇に少しずつ紫陽花が目立つようになったころ、目的地に着いた。
 国道256号線沿いの駐車場に車を停めると、平日なのにそれなりに人影が目立ったし、自家用車だけでなく観光バスも一台停まっていた。

 まずはモネの池の横にある根道神社にお参りをしてから、その裏手にある紫陽花園を目指して歩いた。歩いて10分ほどの距離だったと思うが、途中で何人かの観光客とすれ違っただけだ。
 後ほど訪れたモネの池の人だかりとは対照的に、静けさが漂っている中で紫陽花は咲いていた。

f:id:mobemobe617:20190703090911j:plain
根道神社の裏手にある、紫陽花園。
 紫陽花園からモネの池への道すがら、珍しいトンボを見たのでシャッターチャンスを伺ったが、近づくと遠ざかるように逃げてようとしたが、シャッターチャンスを逃さすになんとか撮影できた。
f:id:mobemobe617:20190703091051j:plain
珍しいトンボを逃さすに、なんとか撮影。
 モネの池に戻ってくると、目の前に停まっていた観光バスが入れ替わっていた気がした。池のまわりの観光客はほとんどが女性で、しかも平均年齢はかなり高め。
 ほぼ全員がスマホを使って写真を撮っていた。自分が見ていると、ほぼ同じような場所から同じようなアングルで撮影しているのも気になった。
 また、彼女たちのファッションに統一性が感じられたのも不思議だったが、自分の気のせいかもしれない。
f:id:mobemobe617:20190703091251j:plainf:id:mobemobe617:20190703091130j:plain
モネの池、下は咲いていた睡蓮。
 自分としては正直、モネの池は期待外れだった。噂になるくらいだから、もっと素敵なスポットだと思っていたのだが。
 先日、訪れた久屋大通庭園フラリエにある池の方が、モネの世界観に近いような気がした。だからかもしれないが、池のまわりでモネを気取ってポートレート撮影をしていた人は居なかった。

 それでも、ファインダー越しに見ると何かしら魅力が発見できるかもしれないと思って、カメラを取り出してシャッターを切ったが、そこにしかない魅力を発見することはなかった。
 帰る前に、駐車場脇に板取川に架かっていた橋から、何回かシャッターを切ったが、そちらの景観の方が自分は興味深かった。

f:id:mobemobe617:20190703100432j:plain
板取川の景観。モネの池よりもこちらの方が写真映えしていると自分は思う。
 国道258号線を戻っていると、ある所に立ち寄りたくなってきた。寄り道したくなった場所とは同じ関市内、かつては同じ武儀郡に属していた上之保地区。
 上之保地区にある日帰り温泉入浴施設、『上之保温泉微笑みの湯』で汗を流して帰宅することにした。
hohoeminoyu.jp
 津保川沿いの道を久し振りに走った。道の駅平成の前を走り抜けたことも、久し振りだった。
 平成が終わって令和になるころ、この道の駅はよくTVに映っていたが、昨年の同じころ付近が洪水で大きな被害を受けていたことも併せて紹介していた番組はなかった気がする。
 自分がそう考えてしまうのは、この地区の災害復旧ボランティアに一週間参加したからだろう。

 久し振りに訪れた上之保地区を車窓から眺めると、昨年の災害被害を連想することは難しかった。微笑みの湯の横にあったグランドはかつて、様々な災害ゴミの集積場所だったのだが、夕焼けを浴びたグランドにその面影はなかった。

f:id:mobemobe617:20190703100640j:plainf:id:mobemobe617:20190703100750j:plain
上は災害ゴミに溢れていたグランド、下は久し振りに入湯した微笑みの湯。
 ボランティア活動に参加した後は無料で入湯出来た微笑みの湯に、500円を支払って久し振りに入湯した。
 お湯も露天風呂からの景観も相変わらず素晴らしかった。露天風呂の湯船に浸かっていると、いつの間にか考えていた。
 起きない方がいいに決まっているが、今もし同じような災害が起きて、災害ボランティアの募集があったら自分は参加するのかを。正直、わからなかった。
 昨年の夏に自分は何故、ボランティアに参加したのだろう? 何が自分を駆り立てたのだろう? 自分と一緒に汗を流した人たちは今、何を思って何をしているのだろう?
 また、直後にマスコミで取り上げられたスーパーボランティアこと、尾畠春夫さんの近況のことにも思いを巡らせていた。

マイアミ開き2019

 先週の土曜日、ビアガーデンマイアミで友人とビールを味わった。
 マイアミの魅力のひとつは主要メーカーのビールをほぼ味わえる。プレミアム価格の銘柄も含めて。
 税込み4,320円を支払えば2時間、ビールを中心としたアルコールが飲み放題、セルフ形式で楽しむバーベキューを中心としたつまみも食べ放題だ。
 おまけに毎日、毎夜ステージでは何かしらのイベントが催される。

 昨年、ある友人と出かけた時のことだ。自分がイベントライブ中にステージ前で騒いでいると、その友人はステージに向かって、ただただカメラのファインダーを向けていた。
 そんな様子を怪訝に思っていたのだが、今年は自分が同じようなことをしたが、面白かった。
 夜で派手な照明に照らされたステージ上で、ビアガーデン専属アイドルの4人が歌い踊っている姿を写真に撮りたかったのだが、簡単なものではなかった。ビールを数杯呑んで酔った状態だったので、尚更だ。

f:id:mobemobe617:20190702104903j:plainf:id:mobemobe617:20190702104813j:plain
ビアガーデンマイアミの専属アイドル、マイちゃんアミちゃん。
 翌日、あることに気がついた。前日が2019年のビアガーデンデビューの日であったことを。
 ここ数年では一番遅かっただけでなく、昨年と一昨年と比べるとかなり差があった。昨年のマイアミ開きは4月19日、一昨年は4月20日だったから。
hatehatehahaha.hatenablog.com
hatehatehahaha.hatenablog.com
 そうなってしまった理由を自分なりに考えてみると、いくつかのことに思い当たった。
 ひとつは自分がお酒を口にすることが、このごろは減っていること。仕事をしていないので、ストレスのはけ口としてお酒に頼らなくてもよいからだろう。
 もうひとつは、グラスを傾けながら他人と話すことに対しての見方が変わったことだ。

 人と歓談するときにはお酒はつきものだと思い込んでいたが、今ではそう思えなくなってきた。相手によっては、喫茶店でお茶を飲みながらの方がよい気さえする。
 自分がそんな考えに至ったのは、昔からのある友人のせいだ。その友人は、お酒を呑んで話したことは覚えていないことを公言しているから。
 その割には酔ってくると、気が大きくなるのか素面であるときは言いにくいような自分へのことなどを口にする。時にはこちらが気分を害することも含めて。
 翌日、そのことをこちらが聞き直すと覚えていないと言われたことが何度もあったので、虚しく思えてきたのだ。

 自分だってお酒の席のことを全て覚えている訳ではないし、記憶が飛んでしまうことだってたまにはある。
 だが、初めからお酒を呑んだ時の言動に対して、責任を取らないようなことを言われたりすると、そんなコミュニケーションは不必要に思えてきたのだ。
 よって、お酒を呑んでもよいと思える相手が、自分の中でかなり限定されてしまった。
 実際、明日はある友人とマイアミとは別のビアガーデンに行く約束をしている。その友人とお酒を呑むのは久し振りなので、楽しみにしている。

 呑みたくない相手として、一番身近な相手は実弟だ。酔っ払いの特徴である、話の理屈っぽさとクドさを炸裂させるからだ。
 そうは言っても、週末は母親の誕生日が近いこともあるので母と3人で呑みに行くことになっている。名古屋で一番有名なビアガーデンのひとつ浩養園へ。正直、今から少し気が重い。

2019年の上半期を七味五悦三会で振り返る

 今日から7月。今年も半分が過ぎた。
 一昨年、昨年と同じように今年の上半期を『七味五悦三会』で振り返りたい。
『七味五悦三会』とは江戸時代の人々が大晦日に家族同士で、七つの美味しかったもの、五つの楽しかったことや嬉しかった思い出、三つの新しい出会いを語らいながら過ごす風習のこと。
 この粋な風習を知ってからすぐに自分は好きになったので、上半期の終わりと大晦日にはこのテーマでblogの記事を書いている。

 まずは七味。

  • かつやのトマたまチキンカツ定食
  • いきなりステーキのワイルドステーキ
  • 蕎麦の花の蜂蜜

『かつやのトマたまチキンカツ定食』は、とんかつ専門のチェーン店『かつや』の期間限定メニューだった。初めて食べた時にすっかりはまってしまい、3回も食べに『かつや』まで足を運んだほどだ。期間限定メニューからレギュラーメニューに採用して欲しいくらい気に入った。

『いきなりステーキのワイルドステーキ』は、ランチタイム限定メニュー。このメニューには正直、さほど期待していなかった。
 自分の住む生活圏内に今年になってやっと、『いきなりステーキ』が出店したので、足を運んだときにはがっかりさせられたからだ。
 名古屋の繫華街、栄にある地下街のセントラルパークに出店した初日の夕方に並んでまで立ち寄ったのにも関わらず。
 その時は何をオーダーしたかは覚えていないが、たいしたことはないと思って、店を出たことだけは覚えている。

 つい最近、平日のお昼時に別の『いきなりステーキ』の店に立ち寄った。何も期待していなかったので、ランチ限定でお値打ちなメニュー、『ワイルドステーキ』を躊躇無く注文した。肉が堅くても旨味がなくても、値段もそれなりなので、さらに幻滅させられることはないだろうと思っていた。ちょうどキャンペーンで肉が10%、増量されていたこともそのメニューを選択した理由だった。

 鉄板に乗せられてきたステーキをナイフでカットし、熱々の鉄板で好みの焼き具合にして口に運ぶと、驚いた。いい意味で完全に気体を裏切られたからだ。
 これからも平日のお昼時であれば、『いきなりステーキ』に足を運ぶのも悪くないと、考えを変えた。

『蕎麦の花の蜂蜜』の味にはまったのはデパ地下に県内の養蜂家が出店していたのがきっかけだ。その時に様々な種類の蜂蜜を試食させてもらったのだ。
 ほぼ毎朝、プレーンヨーグルトに蜂蜜をかけて食べるのが習慣化している自分。その蜂蜜は通販で国内産とはいえ、安い百科蜜を㎏買いして使っている。
 試食中にそんなことを話ながら蜂蜜を試食させてもらった。レンゲ、蜜柑、アカシアなどなど。そんな中で自分が一番気に入ったのは、蕎麦の花の蜂蜜だった。色は黒っぽく、上品な黒蜜のような味わいだった。
 値段は少々張ったが迷わずに購入して毎朝、ヨーグルトにかけて味わっている。

 今年の後半、美味しくて心が浮き立つようなものに割いてでもあと四つ、巡り会えることができるだろうか。昨年は結局、七味に満たなかったから少し気になっている。

 次は五悦。

  • 所属している同人誌で自作の小説が賞を受賞したこと
  • 住宅ローンを完済したこと
  • 会社と副業先のバイトも辞めたこと
  • スノーボードが上手くなったこと
  • 写真撮影にはまりだしたこと

hatehatehahaha.hatenablog.com
hatehatehahaha.hatenablog.com
 五悦についての最初の二つは過去にblogに書き綴っているので、省略して三つめから説明したい。

 20代で家を建ててからは住宅ローンのために、常に何かに追い立てられていたような気がする。
 そのせいか、今までにも仕事をしないで失業保険を受給したことはあったが、常に安心することはできていなかった。
 だが、今年の春先に仕事を辞めてからは違う。正直、貯金を食い潰しているのでお金には余裕はないものの、借金もないのだ。

 今までの人生で何もローンを抱えていないのは、自分としてはかなり貴重な期間になっている。
 リーマンショックのころは何かと副業するサラリーマンが話題になったが、最近ではそんな話はあまり聞かない。少なくとも、自分の古くからの友人の中で本業意外にアルバイトをしていた経験があるのは自分だけだった。

 普通の労働者は本業が休みのときは休みなのだ。自分とは違って。
 週末のラーメン屋でのアルバイトは約10年続けたので、自分の感覚がおかしくなっていたように今となっては思う。もっと、自分のために時間を使うべきだったはずだ。

 四つ目と五つ目は、三つ目の恩恵が大きい。自由な時間ができたことが。
 スノーボードが上手くなったことを実感したのは、4月になってから。仕事を辞めたので四月は月の半分、15日間ゲレンデで過ごした。
 ゲレンデではスキーとスノーボードの両方滑ることを自分に課すと、1級の壁にぶつかっているスキーと違って、リフトから降りることすらままならなかったスノーボードは、誰から見ても以前よりは上手くなっているはずだ。

 五つ目は三つ目のことだけでなく、一つ目のこととの関連も大きい。自分が小説で賞をもらった時に、自分のポートレートの提出を同人誌に求められたことが。
 若い頃は、自分の外見にかなりのコンプレックスを持っていたので、写真の提出は断りたかったほどだ。
 仕方がないので、仕事を通じて仲良くなった友人に自分の撮影を頼むと、驚くようなポートレートを撮ってくれた。同人のメンバー内でも、自分の小説は評価してくれなかった人ですら、写真については悪く言われなかったほどだ。
 このことがきっかけとなって、家の中で埃を被ったままになっていた一眼レフカメラを毎日のように使いはじめるようになったが、自分でもここまで写真撮影の魅力に取り憑かれることになるとは、思ってもいなかった。

 五悦については他にも候補があったので、迷ったがそれは上半期が充実していた証拠だろう。
 今年の大晦日に再び五悦を選び直す時に、自分がまた悩むような下半期を過ごせるといいのだが。

 次は三会。

  • 写真家のコムロミホ

 三会については、一番迷った。本当は複数人を挙げたかったから。
 では、何故1人だけなのかは最後に書き綴りたい。

 コムロミホさんは著名な写真家なので、写真にそれほど興味がなかったころの自分でも名前くらいは知っていた。
 だが、自分が写真を撮りだしてからは、好きな作品を見せてくれるフォトグラファーの1人になった。

 そんな彼女に会うだけでなく、レクチャーを受けながら写真を撮る機会に、最近恵まれた。その機会とは、ヨドバシカメラの撮影会。
 昼からの半日、彼女と一緒に過ごすことが出来たのは思い出にもなったし、よい経験にもなっている。

 自分がポートレートを撮っていて行き詰まると、彼女の言葉を思い出す。シンプルな助言しか受けていないせいもある。
 その中の一つを書かせてもらうと、モデルの装いの上下のコントラストが素晴らしい時は、ウエストショットで撮ることだ。自分ではとても思いつかない、女性らしい視点から導かれたアイデアだと思う。

 自分が三会に入れたかった人たちとは、ポートレートを撮らせてもらったモデルの方たちだ。
 トップカメラの撮影会に参加しなかったら、ポートレート撮影の面白さを見いだすことは永遠になかったかもしれないし、気がつくことが出来たとしてもずっと後のことになっただろう。

 そのことからも特に、五月のあの日に森林公園で被写体になってくれた彼女たち1人1人に、改めてお礼を言いたいくらいだ。彼女たちに巡り合わなかったら、今ポートレート撮影をしていただろうか。
 それにしても、なんで撮影会に1人で参加しようと思ったのだろう。時々、そんな思い切ったことをする自分が好きだ。
hatehatehahaha.hatenablog.com

f:id:mobemobe617:20190701110148j:plain
あの日に、借りたカメラで撮影した木漏れ日。
今週のお題「2019年上半期」

2,991枚

 今日の記事のタイトルは、昨日1日で撮影した写真の枚数だ。カメラの連写機能を使っているとはいえ、我ながらよくもそんなにシャッターを切ったと思う。

 当初の予定ではさくらフォトの撮影会に参加して、砂月蛍さんの制服姿のポートレートを撮るつもりだったが、天気を考慮して午前中の私服の部に申し込んだ。
 彼女の魅力を撮り切れたかどうかは、自分の技量だから仕方がないが、彼女のおかげで楽しく撮影できた。

 撮影場所は栄の東、東新町に近い場所にある公園。偶然だが、自分が某電力会社の仕事をしていた時に、自作弁当を1人で食べていたあの公園だった。
 正直、その時の仕事は楽しいことが少なかったので、弁当を食べていたことも、あまりよい思い出になってはいなかったが、蛍さんとポートレートを撮影したことで、この公園が素敵な思い出の場所に上書きされたと思う。
 過去は変えられないが、過去の価値はどんな風にも変えていくことができることを久し振りに実感した。

f:id:mobemobe617:20190630183639j:plainf:id:mobemobe617:20190630183858j:plainf:id:mobemobe617:20190630183936j:plain
撮影会が始まる前に撮ったスナップ。噴水はまだ壊れたままで、呆れました。
 午前の私服姿の部は参加者が少なかったことと、彼女の人柄のおかげで慌てずにマイペースで撮影できたのもよかった。途中で何度もレンズを交換したほどだ。
 そんな中、午後からの制服での撮影の部にはまだ定員に余裕があること、撮影が終わるまでは雨が降らないかもしれないことを撮影中に話していると、自分の考えが変わった。彼女の制服姿のポートレートも撮りたくなってきたのだ。
 参加していた9時から10時30分の部が終わると、スタッフにそのことを伝えた。
f:id:mobemobe617:20190630180639j:plainf:id:mobemobe617:20190630180558j:plain
昨日、初めて撮影させてもらったモデル、砂月蛍さん。さくらフォト撮影会にて撮影。
f:id:mobemobe617:20190630182511j:plainf:id:mobemobe617:20190630183026j:plainf:id:mobemobe617:20190630183134j:plain
このショットは蛍さんのアイデア。ゆっくり歩いてるんだけど、走っているような雰囲気を演出することに。
 制服での撮影が行われたのは14時から。時間があったので一旦帰宅して、昼食を食べた。食後にシャワーを浴び、着替えて撮影場所である矢場町の集合場所に向かった。
 集合場所に着くと驚いた。雨がいつ降り出すかもわからないような梅雨空だったのにも関わらず、カメラマンは定員の7名だったから。
 ポートレート撮影が好きな男性カメラマンにとって、制服姿の女性を撮ることに魅力を感じる人は多いのだろう。

 午前中と違って蛍さんを撮影する時間は限られていたが、得るものは多かった。他人の構図やモデルさんへのポージングの要求、他のカメラマンとの会話などなど。
 この文章を書いている前に、昨日の撮影会の様子がSNSに掲載され始めていたので、いくつかのショットを見たが自分がまだまだのレベルだということをつくづく痛感させられた。

f:id:mobemobe617:20190630183409j:plainf:id:mobemobe617:20190630180610j:plain
制服はセーラー服でした。蛍さん素敵だったのに、これが今の自分の実力……。
 撮影会が終わった後に、久屋大通庭園フラリエに立ち寄った。園内でスナップ写真を撮りたかったからだ。
 睡蓮が咲いている池の縁で、男性カメラマンが女性をモデルにしてポートレートを撮っていた。
 カメラマンは自分が考えているような絵になっていないようで、自身の思いをモデルに説明しているのが聞こえてきた。モネの睡蓮のようなイメージで撮影したかったらしく、そのイメージをモデルにも抱いて欲しかったようだ。
f:id:mobemobe617:20190630184619j:plainf:id:mobemobe617:20190630184726j:plain
フラリエの中にある睡蓮の池。自分は小心ものなので、モネの絵画に挑戦する気なんてありません。
 彼の話しぶりが上から目線だったこともあって失笑してしまい、ファインダーから視線を外すとモデルと目が合った。彼女も彼の言動に笑いをこらえていたように見えた。
 今後ポートレートを撮るときには、モデルさんに失笑されないようなコミュニケーションを取りたいと思えた、瞬間だった。
f:id:mobemobe617:20190630185101j:plainf:id:mobemobe617:20190630184913j:plain
フラリエ、意外と素敵な場所だったので、また近いうちにスナップでも撮りに行こうかな。

ガッキーに誘われなくたって

 昨日の夕方、名古屋で一番の高い山である東谷山に再び登頂した。カメラ仲間が夜景を撮りたいと声をかけられたからだ。
 名古屋で一番の標高といってもたかだか198メートル。登山口にある駐車場から、徒歩で20分強の距離だ。

 昨日は梅雨の雨上がりであることもあって、ところどころ滑り易くて足下が悪かった。
 そんなこともあってか、登りだしてすぐに同行した友人が、音を上げはじめた。ちなみに友人とは同じ年齢どころか、誕生日もたった2日違い。加齢による体力差などはほとんどないはずだ。
 登山中、あとどれくらいかを何度も聞かれた。子供が何かを待ちきれないときのように。

 無事に山頂まで着くと友人は汗だくになっていた。マイクロフォーサーズで軽量とはいえ、カメラとレンズ数本と三脚などの荷物を携えての登山だったので、運動不足であればそれなりに堪えるだろう。
 友人からしたら、自分は平然としていたように見えたようだが、それなりには疲れていた。

 山頂にある尾張戸神社にお参りすると、前回夜景を撮影した木製の展望台に昇った。
 自分が三脚を用意していると、友人の三脚の部品が外れて壊れてしまったのだ。
 友人の三脚の方が見た目はしっかりしていたので、いくらくらいかを尋ねると自分のものより、1,000円ほど高価だった。

 仕方がないので、オリンパスのpenに付いている撮影モードの中で『手持ち夜景』を使って撮影することを勧めてみた。すると、友人は撮影した写真を見て喜び驚いているのが伝わってきた。これで充分じゃん、と大きな声で口にもしていた。
 実は、自分も前のカメラから今のカメラに買い換えた時にこのモードを初めて使用して撮影したときには驚いたし、はまっていた。呑みに行った帰りなどに、街中で意味があまりないスナップ写真を撮りまくっていたくらいだから。

 友人は新しい単焦点レンズに途中で変えて撮影していた。そのレンズを使用したくて仕方がなかったこともわかった。この気持ちも自分はわかるし、カメラで写真を撮ることが好きな人間なら同調してくれるだろう。
 写真を撮っていると時間が流れるのはあっという間。気がつくと登頂してから1時間以上が経って20時30分を過ぎていたので、帰ることになった。

 往時は黄昏時だったので、木々に遮られた登山道でも多少はまだ明るかったが、帰り道は闇に覆われていた。
 前回、この暗い道を独りで降りたことに友人から驚嘆された。ガッキーに頼まれたって嫌だ、と。
 ガッキーに頼まれたって嫌ですね、自分は続けた。石田ゆり子に頼まれたなら話は別だけと、と。
 すぐ、友人に切り返された。好きなタイプの女性に頼まれなくても、カメラやレンズを買ったりしたら独りでも来たくなるんじゃないですか、と。

 確かに否定はできない。それくらい写真撮影にはまっているのは間違いないからだ。
 だがどうして、一緒に暗い道を歩いている友人だって、さほど自分とは変わらない気がしたが。

f:id:mobemobe617:20190629125201j:plain
男同士二人で撮影した夜景。